ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章・紋章を継ぐ者達へ 考察 ロト紋・勇者誕生編 【2023.5.20更新】
ロト紋・勇者誕生前編とは、ロト紋時代の勇者誕生の頃からアルスが10歳に育つまでの約10年間の時期です。
ロト紋1巻1話に関する時期でありロト紋でのプロローグに該当する部分です。アルス誕生から少し前の日から始まりアルス10歳時の本編へと繋がっていく様が描かれています。
カーメン、ローラン、ラダトームでの勇者の誕生が主軸となっています。ロト紋執筆時以降に追加された勇者に関する設定により、カーメン王国とローラン王国の陥落はほぼ同時期となります。
断片的に語られる出来事の時系列を考察していきます。
*この記事は2022/12/2発売のヤングガンガン2022 NO.24に掲載された短編に対応しています。
0.勇者誕生の行動表
ロト紋1巻1話の時系列は概ね読む順です。
日時や場所などを書き込んだ簡易表を掲載し所々に補足や考察を行っていきます。
1.勇者誕生前
勇者誕生12日前・ラーミア存命
ロト紋1巻1話はDQ3時代を振り返りつつラーミアが大空を飛翔する姿を描きつつ開始されます。ラーミアは飛翔を続けカーメン王国へと場面が移っていきます。紋継5巻44話ではDQ3時代に勇者アレルと共に行動したラーミアはロト紋時代にはまだ存命しているとされています。設定的にも描写的にもラーミアは存命していると受け取っていいはずです。
ロト紋シリーズにおいてのラーミアはFC版を基本としており大きな白い鳥の姿をしています。初期の頃は尾羽が帯状にまとまり縁がピンク色をしています。ロト紋終盤に入ると尾羽が細長く分かれていきDQ8のレティスに似た紋継版のラーミアに近づいていきます。
ラーミアとカーメンの場面が繋がっているとすれば、ラーミア飛翔の場面は勇者誕生12日前の日中となります。
1991年4月号に掲載されたロト紋1話
この頃のエニックスから『ドラゴンクエスト 1989年度カレンダー』が発売されており
FC版DQ3発売頃はラーミアの定まったビジュアルが発表されておらず作家ごとに異なる姿が描かれていた
勇者誕生12日前・蛮族の神殿攻略
ロト紋1巻1話は時系列が細かに設定されています。
カーメンがネクロゴンドの密林に建つ蛮族の神殿に向かうのは勇者誕生より12日前の晩です。
アルスの父親は作中では『カーメン王』とされていますが、パーフェクトガイドブックでは『カーメン4世』とされておりロトの血を受け継いでいるとされています。
戦いでは常に先陣に立つ勇敢な国王とされているカーメン4世
ボルゴイ軍団長やボルゴイの娘・ルナフレア達と共に軍勢を率いて出陣する
出産前のローザ王妃とタルキン大神官はカーメン城に残っている
この時のルナフレアは15歳、タルキンは59歳となっている
ロト紋1巻1話から約45年後
紋継時代のイシスの目抜き通りでカーメン4世のフィギュアがプレ値で販売されている
カーメン4世の人気を窺い知る事ができる
カーメン国の領地を荒らしているのは蛮族・シャーマン族です。
神殿の中にはDQ2に登場する邪神の像が祀られています。
邪神の像は破壊神シドーを崇拝するためのものです。ロト紋シリーズではシドーはアルト時代にすでに出現しています。アルト時代に勇者によって封印されましたがその後も邪神信仰は残っていたと捉える事ができます。シャーマン族の神殿はかなり古びておりシャーマン族内で連綿と邪神信仰が続いていたように思えます。
シドー関係に関しては以下のインタビュー記事があります。
つまり竜王は、シドーの存在自体は異魔神の時代から知ってはいたけど、邪心の像を通信機扱いするなど、眼中になかった。しかし、放っておくと、のちのち厄介な存在でもあることも知っている。で、アロスに倒させた。 結局はこれも問題を先送りにしただけではありますが。竜王が「I」で再び勇者の前に立ちはだかる事になる大きな理由になればと考えています。
上記を踏まえると、シャーマン族の邪神信仰を利用して竜王が罠を張ったといった所でしょうか。パーフェクトガイドブックにはシャーマン族についての説明が掲載されていません。ジパングのオモカネのように地上世界の魔物は全てが異魔神の配下ではないので、シャーマン族は異魔神と無関係であるように思われます。
竜王の勇者強奪を成功させる為にシャーマン族を利用しつつ全滅させ、彼らが大事にしていた邪神の像を奪いそのまま通信機として利用していたと。初期の頃の竜王の冷酷さが現れていますね。
勇者誕生12日前の夜間にカーメン軍が蛮族の神殿に攻め入る
神殿の外観には邪神シドーを連想させる装飾が施されている
蛮族の神殿内部
壁が一部剥がれ落ちており古い建物である様が描かれている
ロト紋では人間に理解できない言語で話す魔物が登場し独自の文字を用いて会話する様子が描かれている
シャーマン族もその類でありその独自の文字を解読する事はできない
シャーマン族が奉る邪神の像
シャーマン族としては奉るための重要な像であり、通信機として使用するものではないのでは
勇者誕生11日前・聖なる名アルス
カーメン軍は勇者誕生11日前の日中に帰還します。
天より下された聖なる名・アルスはこのタイミングで明かされます。
DQ3時代のオルテガは自由な発想で命名されていましたが、ロト紋時代の勇者は神託によって名前が定められています。神託で授かる名前は『ア』で始まっているように見えますが、ロトの子孫には他にもカーメン、ローラン、フローラ、フレイヤがおり必ずしもこの法則に則ってはいないようです。
神託による命名の習わしがいつからなのか?『ア』で始まる名前が必ずもたらされるわけではないのか?はっきりしない所がありますが、勇者ロト・アレル以降から始まり、徐々に常習化していったように思われます。
父親の自由な発想で命名され家族やキーファがドン引きする
何かの神託が下ったと考えられなくもないが…
アレルの祖母は子供の命名について思うところがあるようなので
孫のアレル誕生の際には神託による命名を行ったのかもしれない
紋継31巻292話でカーメンはイシスとの文化的な繋がりがあるとされている
カーメンの神官達はエジプト神話をモチーフとした衣装を身に纏っている
神託により水鏡にルーン文字が現れている
ᚨᚱᚢᛋ → ARUS → アルス
ロトのしるしを受け継ぐ日まで聖なる名前が王子を邪悪なるものより守ると話されています。作中後半のように3つに分かれた紋章を1つにしたものを得る事ではなく、カーメンにもたらされたロトのしるし・地の引き継ぎを受け継ぐ事を示しているようです。
ロトのしるし・地はカーメン国王が所持するものであり、いずれ王子が新たな国王として戴冠する際はカーメン〇世に名が改められ受け継がれた紋章によって身を守る、といった事のように思われます。
紋継時代にアルスはカーメン国王として即位しますがカーメン5世と名乗っていません。メタ的な理由としてアルス個人を把握しやすくし物語をわかりやすくする為だと思われます。設定的な解釈をするならば、ロト紋時代の最終決戦時に紋章が失われ過去の習わしに従った戴冠が出来なかった為、身を守る為にアルスの名乗りを続けていると受け取る事もできそうです。
紋継時代にはアルスはカーメン国王となっている
紋継時代にカーメン5世と呼ばれる場面は1つもなくアルス様もしくはアルス王と呼ばれている
勇者誕生11日前・邪悪なる名ジャガン
カーメン4世の肉体に入り込んだ竜王の配下・変わり身の魔物デルスが邪神の像を通じて竜王と通信します。
竜王は魔王軍の本拠地から通信しているのでしょうが、この頃の魔王軍の居場所については明らかにされていません。どこかの都市を侵略して根城にしているとすれば、可能性があるのは作中で詳細が描かれていない以下の場所になります。
国1つくらい落としていないと恰好がつかない気もしますが、サマンオサが落ちていたら流石に噂になっていそうな…ロト紋時代ではノアニールに城があるので(ロト紋2巻11話)、ゲーム版DQ3では町や村であった場所が小さな国家とされている可能性があります。そういった小国をすでに占拠しておりそこを拠点にしているとも考えられます。もしくは闇の城を拠点にしているかですね。
邪神の像を通じて竜王の指示を受けるデルス
誰にも気付かれていないと報告しているが主要メンバーはすでにおかしいと思っている…
1話目にして異魔神の巨躯の姿が描かれているが本登場はだいぶ先になる
異魔神の狙いが語られていますが勇者を奪う狙いはもう一つあります。ロト紋11巻61話でロトの血を取り込む事で聖なる力を超越した完全体となって復活するためと語っています。勇者を魔人王として育て利用した後、血を奪って殺害しオメガルーラの発動を阻止する狙いもあります。
勇者誕生10日前・軍団長と大神官の追放
蛮族の神殿攻略の翌々日、ボルゴイとタルキンが追放されます。この場面に現れるカーメン騎士の目つきは既に怪しくなっています。昨晩の内に一部の騎士が魔物と入れ替わっています。
ボルゴイとタルキンの追放は勇者誕生10日前の朝
ルナフレアが城内に残りボルゴイとタルキンはローザと生れてくる王子を救出する機会を窺います。
作中では金払いのよいタルキンが時々描かれています。パーフェクトガイドブックでは『なぜか大金を持っていた』とされています。これから先10年間潜伏する事になる仙人の隠れ郷で高価な宝石を得られるとも考えにくいので、アルス誕生前のこの時期に用意していたものだと考えられます。
かなり高額な買い物もしているので個人で用意したものとも考えにくく…宝石などは王妃から事前に渡されたものかもしれません。
アッサラームを発つ際に獣車を購入するタルキン
この頃のヤオは少し前に入手した鉄の爪(ゲームでは870G)を愛用している
テドンを発つ際に代金として宝石を手渡すタルキン
メタ的には船の具体的な金額を決めかねた為に宝石という曖昧な支払いにしたのかもしれない
獣車5000Gより確実に高いはず
勇者誕生10日前~前日・獣王グノン
単行本未収録分、ヤングガンガン2020 NO.24収録のグノンの短編に関する内容です。
竜王率いる竜兵団はすでに準備を終え、後はカーメン城にて勇者に呪われし命名の儀式を執り行うのみとなっています。
異魔神はゴルゴナに獣族を率いる獣王・グノンを魔王軍に引き込むよう指示を出します。魔猿将軍・エイプス、怪鳥将軍・バークート、金羊将軍・ミナトン、獣魔将軍・リカンタスをグノンへの手土産として連れて行かせます。
ロト紋6巻31話でグノンの獣の姿は異魔神しか知らないとされています。
単行本未収録分の短編はグノンが魔王軍に参入するきっかけが描かれており、まだ正式に参入した状態ではないようにも見えます。正式に参入する際に異魔神とグノンのみが直接対決をしその際に獣の姿になったのか…詳細は不明です。
グノンが正式に魔王軍に参入する時期は不明ですが、アルスが10歳になる前までには参入しています。
勇者誕生直前頃の魔王軍は異魔神を筆頭にゴルゴナと竜王の2魔王で構成されている
2.勇者誕生
勇者誕生当日・アロイスの帯剣の儀
勇者誕生当日。地下世界ラダトームでは8歳になったアロイスの帯剣の儀が行われています。
勇者誕生から約45年後の紋継時代にアロイスの帯剣の儀が思い出されている
勇者誕生当日・アステア誕生
勇者であるアステアもこの日に誕生しますが時間帯は不明です。ロト紋時代のラダトーム国王夫婦が具体的に描かれるのは外伝ASTEEAのみです。外伝ASTEEAはパーフェクトガイドブック発行よりも後の時期に発表されたものであり補足資料は存在していません。
ラダトーム国王はカーメン4世同様勇敢でラダトーム騎士団を率いていたとされています。ラダトーム国王は勇者の血を引いていたと考えられます。
ロト紋時代のアリアハンでのグノン戦の頃にアロイスが両親を思い浮かべる場面
赤子のアステアが王妃に抱かれている
アステアの髪のグラデーションは国王譲りである事がわかる
勇者誕生当日・アルス誕生
王の年・王の月・王の日の新月の夜にアルスが誕生します。
竜王の命を受けたデルスが命名の儀式に取り掛かりますが、ローザがアルスの命名を行い計画は失敗します。
ギリギリで呪われた名を付けられる事を阻止するローザ
カーメン4世とローザは異次元の牢獄に投獄される
勇者強奪の計画が失敗し、ボルゴイとルナフレアを葬るべくデルスが真の姿を現します。ロト紋シリーズの魔物はほとんどがゲーム版に登場するモンスターですがデルスはそういった姿とは異なった描写がなされています。タロットカードの大アルカナ・悪魔のカードに描かれているような姿をしており、一般的に連想される悪魔の姿でデザインされています。
ストーリー的に重要な敵であるはずですが、なぜかパーフェクトガイドブックに掲載されていないという…ロト紋旧版1巻のカバー裏などに少しだけ情報が記されています。
デルスとガイコツ剣士の情報が記されている
LegacyⅢではデルスについて『常に仮眠中』と書かれている
目つきに対してのコメントだと思われる
ロト紋のみに登場するアイテム『光の指輪』をルナフレアが使いデルスを撃破する
負傷しているボルゴイが残党を引き受けルナフレアとアルスを逃がす
勇者誕生当日・カーメン騎士団の奮闘
勇者誕生当日の夜間に魔王軍の襲撃を受けたカーメンですが、ルナフレア達が逃亡した後も戦いが続けられていました。
ロト紋1巻1話で絶対死んだと思われたボルゴイだったが回復魔法を受け無事だった
当日の内に魔王軍から増援が送り込まれカーメン騎士団が立ち向かう
勇者誕生当日から数日間に渡る戦いの様子と顛末が説明されています。10年間…嘘でしょ…カーメン城で10年間襲撃に耐え続ける魔王軍が本当に謎です。ほぼ同時期に占領したローラン城は守る分には強そうですが僻地すぎて使いにくかったんでしょうか。もしくはLegacyⅢではローランは浄化された土地との見解が記されているのでそういった点に手間取っていたとかでしょうか。
ジャガンはローラン城で生活しゴルゴナがジャガンの教育係を担当する事になります。グノンは地下世界を担当しているかもしれません。とすれば多分苦労するのは竜王だけです。新参魔王にたいする嫌がらせなのでは…
LegacyⅢではカーメンは元バラモス城なので邪気などがあるのではないかという説が挙げられています。魔王軍がカーメンにこだわる設定的な部分を考えるとこういったDQ3時代の影響が関連しているのかもしれません。
そんな悲惨な事が…と思いながらページをめくると予想外の長丁場である事が判明しビックリする
勇者誕生当日・ジャガン誕生
カーメンでの勇者奪還を狙っていた竜王ですが、計画が失敗しすぐさまローラン王国に目を付けます。
竜王がデルスの失敗をあげつらいすぐさま別の計画を実行しようとする
ロト紋11巻58話の異魔神への言葉が嘘のよう
この頃の竜王はひたすら冷酷だがLegacyⅢでは
『カリスマ性が高く部下である魔物達からはとても慕われている』とされている
勇者の誕生日の変更
ロト紋連載後に刊行されたパーフェクトガイドブック以降、勇者の血脈の者が勇者としての力を授かるにはアレフガルド歴の『王の年・王の月・王の日』に誕生しなければならないという設定が定められました。
勇者の誕生日の設定とアレフガルド歴について
アルス、アラン、アステアの誕生日が同じであるとされている
名称 読み方 アリアハン歴換算 不死鳥の月
フェニックスのつき
3月~4月半ば 女神の月
イシュタルのつき
4月半ば~5月 王妃の月
クイーンのつき
6月~7月半ば 牛頭神の月
ケンタウルスのつき
7月半ば~8月 一角獣の月
ユニコーンのつき
9月~10月半ば 犬頭神の月
アヌビスのつき
10月半ば~11月 竜の月
ドラゴンのつき
12月~1月半ば 王の月
キングのつき
1月半ば~2月
アレフガルド歴の一か月は45日前後になるようである。
一年の始まりは、春を迎える不死鳥の月とされている。
出典:【アレフガルド暦】 - ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!第三版 Wiki*
パーフェクトガイドブックでアルス、アラン、アステアの誕生日は同じであると明記されています。紋継1巻2話でアラン、アステア、アロイスが同日である『王の年・王の月・王の日』に誕生している事が書かれています。
紋継時代に王の年・王の月・王の日について語られている
アロイス、アラン、アステアの誕生日が同じであるとされている
連載初期時ではアルスの誕生日は王妃の月と考えられます。
仙人の隠れ郷襲撃とカダルの修行開始時がほぼ同時期と考えた場合、仙人の隠れ郷襲撃は満月の夜であり、月の形状からカダルの修行開始時=牛頭神の月=7月半ばとほぼ同時期となります。アルスは新月の夜に誕生しているので6月の誕生となり、アレフガルド歴では王妃の月に当たると考えられます。
イベント | 太陽暦と月の満ち欠け | アレフガルド歴 |
誕生日 |
6/10 新月 |
王妃の月 |
仙人の隠れ郷襲撃 |
6/25 満月 |
王妃の月 |
砂漠へ移動 |
6/26~7/14 |
王妃の月~月末まで |
カダルの修行開始 |
7/15・7月半ば(7/10 新月) |
牛頭神の月 |
*2021年6~7月の月の満ち欠けを参考
連載初期時にあった連載時とリアルタイムとの連動をしているとすれば、仙人の隠れ郷襲撃はカダルの修行開始時より1ヶ月前(リアルタイムでの太陽暦換算)となり、5月の新月=女神の月となります。
蜃気楼の塔での修行は牛頭神の月・一角獣の月・犬頭神の月の3ヶ月=7月半ば~11月の4.5ヶ月
メタ的な理由として連載初期は作中と現実の時間を連動していたので
ロト紋4話の掲載時・平成3年7月号に時期を合わせたような気がする
(7月号は6月に発売されているとか、作中の1ヶ月をアレフガルド歴の45日間で考えていないような気もするが)
連載初期時ではアランの誕生日は11月末と考えられます。
魔人王戴冠時は蜃気楼の塔での修行が終了した時期であり、犬頭神の月の終盤は11月末となるからです。
作中では魔人王戴冠にアランがちょうど10歳になるとされている
作中ではアルスとアランの誕生した時期が異なっていますが、後に追加された設定を考慮し、2人とも『王の年・王の月・王の日』に誕生したと見なす事にします。
アランが誕生した時間帯は明記されていませんが、竜王が命名する場面では窓の外が暗く描かれています。後から追加された設定に沿って考えるならば、カーメン同様勇者誕生の夜間に魔王軍の襲撃を受けたか、あるいは翌日の夜間に襲撃を受けたかになるでしょうか。アランと命名される前に襲撃しなければならないのでとにかく早めの日程で襲撃して欲しい所です。
アランはローラン4世とフレイヤの間に誕生した勇者です。外伝JAGANによればローラン4世とフレイヤはいとこ同士であり、2人とも勇者の血を引いているとされています。
アラン誕生の時間帯ははっきりしないが窓の外が暗いので襲撃は夜間なのでは?
ローラン4世とフレイヤの目の前で竜王によってジャガンと命名されている
ローザのように諦めずにアランの名前を呼び続ければ
魔王軍の狙いは回避できたのかもしれない
竜王にスポットを当てたLegacyⅢでは様々な情報が掲載されている
ネタ的に竜王をいじりたおす『ウチの竜王様』では上記のような部下のコメントが掲載されている
勇者誕生当日・カーメン脱出
勇者誕生当日の夜間にルナフレア達がカーメンを発ちます。タルキンが用意していた獣車には生活道具が積まれており、ある程度の逃亡生活に耐えられるよう備えていたようです。
雷鳴が轟き稲妻が光る中異魔神の姿が浮かび上がる
イシスの砂海まで獣車で逃れている 大クチバシがかわいそうで胸が痛む…
カーメンから砂漠までたいした休息も取らずに走り続けたのだろうか
ルナフレア達の移動経路には別資料が存在しています。
カーメンからはネクロゴンドの洞窟を通ってテドンまで移動する事もができますが、ここでは北側の山岳地帯を通ってイシスへ抜ける道を選択したようです。獣車で移動しているのである程度道が整備されていると考えられます。
アリアハン編までの地図
紋継ではイシス南のオアシス~イシスまで砂船で6時間程
ロト紋初期は作中と現実の時間を連動していたためマップ移動にかなりの時間がかかるよう設定されている
パーフェクトガイドブックのイシス砂海の説明に『ルナフレアは赤ん坊のアルスを抱いてこの広い砂海を半分以上も渡ったのだ』とあります。紋継時代ではイシスの砂漠を歩いて移動する事の過酷さが詳細に描かれており、ルナフレアと言えどもさすがに半分踏破は無理なのではと思ってしまいます…ある程度までは獣車で進み、残りは徒歩で頑張った、といったあたりが問題なさそうな気がしてしまいます。
概ね上記のような行程で仙人の隠れ郷に辿り着くのでしょうか。カーメンから7日間強程かかりそうに思えます。
この頃のイシス砂海はギランが取り仕切っている
キラはロト紋11巻59話に準じると2歳となる
3.勇者誕生後
勇者誕生後の動き
勇者誕生後から10年間は本編以外の時期になります。
場所 | 内容 | 出典話数 |
仙人の隠れ郷 |
【勇者誕生より2週間程?】 バハラタ地方にある仙人の隠れ郷に移る 聖なるオーブに守られた秘密の場所 魔物の目には届かない場所 導師・タオとの出会い
*アルス・キラは兄弟同様に育つ 大神官・タルキンは老師と呼ばれるようになる ルナフレアが剣の師匠となる
*1話の仙人の隠れ郷にティーエが描かれていない |
ロト紋1話 ロト紋2話 ロト紋29話 ロト紋77話 Pガイド |
*タオ130歳 |
ロト紋59話 |
|
アルスは仙人の隠れ郷からは出る事はない
*ギランとキラは時折偵察に出ていた? |
ロト紋7話 |
|
テドン |
【勇者誕生より2年後】 僧侶ボルクと魔法使いレナスの間に ノロップが誕生する |
ロト紋23話 ロト紋59話 紋継294話 |
【勇者誕生より3年後?】 ラダトーム城国王・王妃が流行病で亡くなる
*アステアが物心つく前、3歳より前? *アロイスが両親からアステアを 慈愛に満ちた優しい女性に育てるよう頼まれる |
ASTEEA | |
蜃気楼の塔 |
僧侶ボルクと魔法使いレナスが 賢者カダルの元での修行を終える
カダルがボルクとレナスの力を息子のノロップに 受け継がせるようにと告げる カダルの力を受け継ぐ者を育て 聖戦士の誓いを果たそうとしている
ボルク、レナス、ノロップが テドンに行く事を告げ蜃気楼の塔を後にする |
ロト紋23話 紋継294話 |
ローラン城 |
【勇者誕生より6年後】 ジャガン6歳時に人間相手の稽古に切り替える 異魔神の術によってローラン騎士団から意識を奪い ロトの剣術を学ぶ相手にする
ジャガンがローラン騎士団全員を倒すが 体が動かず止めを刺すことができない ロトの血による慈愛の心が制止している
ジャガンの中で魔人の力とロトの血の力が 激しく衝突している |
ロト紋46話 |
拳王の隠れ里 |
【勇者誕生より7年後】 ヤオ8歳 魔剣ネクロスを手にした剣王サーバインが現れ ヤオの両親と里の者を惨殺する ファンが幼いヤオを連れて里から逃げ出す 拳王の隠れ里が壊滅する
*ファンとヤオの3年に渡る復讐の旅が始まる |
ロト紋9話 ロト紋59話 |
【勇者誕生より9年後程】 ジパングの火山活動が活発になる 仮死状態だったヤマタノオロチが目覚める オロチが地上に出ないよう結界を張る
オリハルコンを探す使者として リハク、イズナを派遣する |
ロト紋41話 | |
リハク、イズナが訪れる |
ロト紋41話 |
|
神仙術を見たルイーダが気味悪がり ルイーダの酒場の宿泊を断る |
ロト紋39話 | |
リハクとイズナがオリハルコンを持ち帰る 聖なる龍の像を造りヤマタノオロチの封印とする |
ロト紋41話 |
仙人の隠れ郷でのアルス達
カーメンを逃れたアルス達はバハラタ地方の仙人の隠れ郷に移り住みます。なぜこの場所に逃れたのかは明確になっていません。『仙人』と言われる事から結界を張りこの場所を造ったのはタオのようにも思えます。
アルス達はここで今は亡きムー帝国の支配者・太陽王・タオと出会います。タオは導師・タオと名乗っていますが太陽王の身分を隠すためでしょうか。タオはロト紋11巻59話に準じれば130歳となります。パーフェクトガイドブックではアルスに魔法を教えたのはタオとされています。
ルナフレアは剣を教えます。タルキンは回復魔法を教えるのでしょうか。タルキンの身分は大神官ですが以降は老師に名称が変わります。身分を隠すためでしょう。
仙人の隠れ郷ではルビスの魂を宿したティーエとも出会います。ティーエの正体についてはタオですら知りません。
ロト紋2巻7話でキラがアッサラームより大きい町があると話しています。
キラがアルスと出会ったのはキラが2歳の頃、2歳以前の記憶が残っているとは考えにくいです。カーメンから逃れてきたアルス達は魔王軍の目から逃れるべく仙人の隠れ郷から出る事はできませんが、代わりにキラとギランが時折に偵察に出ていたと考えられます。
アリアハンでのグノン戦の最中にタルキンが仙人の隠れ郷での生活を振り返る
タルキンにとってアルスはカーメン国の王子であり
どんな時でも家臣としての分を忘れたことはないとしている
長く続く生活の中でいつしか本当の孫のように思っている
異魔神との最終決戦の前にキラが仙人の隠れ郷での生活を振り返る
キラの記憶なのでアルスがある程度大きく育った頃の時期となっている
キラにとってアルスはずっと一緒に育った分身と話している
ポロン誕生
テドンではカミーロの息子・僧侶ボルクと魔法使いレナスの間にポロン(ノロップ)が誕生します。ポロンはロト紋11巻59話に準じればアルスより2歳年下となります。
紋継時代のカミーロの回想にポロン誕生の頃の場面が描かれている
カミーロが僧侶を辞めて船大工になってから20年~30年経っており前職の面影はない
ボルクとレナスの色はロト紋15巻とパーフェクトガイドブックに掲載されている集合イラストで確認できる
ポロンの金髪は母親のレナス譲りと知る事ができる
ラダトーム国王夫妻の死
ラダトームでは国王夫婦が流行病で亡くなります。アステアは両親の事を覚えていないようなので、アステアが物心付く前・勇者誕生より2~3年後くらいの出来事だと思われます。
ラダトーム国王夫妻が流行病で亡くなったのは、ロトの血脈であっても『王の年・王の月・王の日』の生まれではなかった為だと考えられます。紋継32巻296話で勇者の血は病原菌を血液そのものが攻撃して撃退する、病原菌はおろか異物はことごとく破壊していくと説明されています。勇者の血の特性が現れていれば流行病で亡くなる事は考えにくくなります。
アロイスの身分は第一王子のまま、アステアは第一王子を名乗ったまま物語が進行していく
ロト紋時代終盤の約12~13年間はラダトーム国王は不在の状態となっている
蜃気楼の塔
ボルクとレナスがいつから賢者カダルの弟子であったのかは不明です。作中では幼いポロンを連れ蜃気楼の塔で修行をする場面が描かれています。ポロンは蜃気楼の塔での出来事を覚えていないので、物心付く前・勇者誕生より4~5年後くらいの出来事だと思われます。
この頃にはカダルはポロンを後継者とみなしており、賢者として育てるよう指示をしています。
蜃気楼の塔で魔物達と遊ぶポロン
カミーロ・アデーレ・ボルク・レナスと魔法使いと僧侶の血統に生まれたポロンだが
魔物使いの才能も持ち合わせている
魔物使いの才能は誰かの遺伝なのかポロンから始まった才能なのかは明らかにされていない
パーフェクトガイドブックではボルクとレナスは師であるカダルに似て冗談が大好きだと紹介されています。
ボルクとレナスの冗談がカダルを翻弄する
蜃気楼の塔からルーラを使わずに去ろうとする場面はエデン44話にも登場する
この頃から蜃気楼の塔は砂漠に位置するようになっているようだ
ローラン城でのジャガン
ローラン城での生活
ローラン4世とフレイヤはローラン城内の北の地下牢に投獄されたままです。
パーフェクトガイドブックではジャガンはゴルゴナの手によって魔人王になるよう育てられたとされています。将来魔王になる時のためにゴルゴナ同行して各地に視察に赴いており、後にジャガンが各地にルーラで移動できるようになるとも説明されています。
ジャガンの生活にはリルパが深く関わっています。パーフェクトガイドブックでは竜王軍所属と紹介されており竜王やフレイヤの世話をしているとされています。竜王に関わる部分については魔王軍の拠点がローラン城に移ってからのように思えます。
作中ではリルパがジャガンの世話を勤めている様子も描かれています。
パーフェクトガイドブックでネタ的にロト紋時代のゴルゴナの保母さん的役割について言及されている
キアーラとフロレンシアは家庭的には見えないような…ワンチャンポポルヴー?
雑用はリルパが行っていたとして回答を締めくくっている
アルスの両親であるカーメン4世とローザは魔物に姿を変えられ記憶を奪われるが
作中終盤でリルパの仲間として登場する
この頃からリルパがアルスの両親の世話も行っていたのかは不明
作中では勇者誕生より6年後、ジャガンが6歳の頃の様子が描かれています。
6歳の頃のジャガン
めちゃくちゃ荒れている
ロトの慈愛の心
ジャガンは6歳の頃にロトの剣術を習得すべくローラン騎士団を相手とした修行を開始します。恐ろしく早い成長を遂げ騎士団全員を倒します。用済みとなった騎士団を殺害するようゴルゴナが促しますが、ジャガンはロトの慈愛の心によって人間の命を奪うことができない事が発覚します。
紋継32巻296話でアシモフが勇者の血を魔物の血に近いと評しています。連綿と続く勇者の血脈がロトの勇者として成り立つ頃には、勇者は人間離れした能力を得ていたように思われます。その力を人間に向けることがないように誰かが設けたリミッターがロトの慈愛の心だという事ですね。
勇者のリミッターはいつ施されたものなのか?
『ロト』の言葉に注視すればアレルがロトの称号を得た後・ロト紋時代初期頃になります。アレル自ら施した可能性もありますが、ロト紋時代初期頃にアレルが紋章を分けた時に立ち会っていたであろうルビスが施したものと考える事もできそうです。
『ロト』の言葉に注視せず『勇者』と見なして考えるのであれば、過去に力を奢った勇者に対し神が施したもの、あるいは力を振るい後悔の念を抱いた勇者が自らを戒めるために施したもの、などでしょうか。想像の余地がある部分です。
ただこのロトの慈愛の心は万全のものではなく、勇者が相手を人間と認識しない場合は作動しないようになっています。作中ではこれによって後に凄惨な事件が起こってしまいます。
ロトの慈愛の心が人間を害す事を阻止している
魔王軍にとって人を殺せない魔王など欠陥品も甚だしいがジャガンの存在理由は別にあるので目をつむる所
紋継時代のアロスもロトの慈愛の心によって敵に止めを刺せない現象が現れている
勇者が人間に襲われた場合は殺害以外の方法で対処しなければならない
拳王の隠れ里滅亡
ロト紋2巻9話・アッサラームでの戦闘時に3年前に拳王の隠れ里が襲撃されたと話されています。勇者誕生より7年後程の出来事になります。
この時のヤオは8歳。魔王軍の刺客となったサーバインとネクロスの襲撃を受け、命辛々ファンとヤオが里から逃げ出します。相手が5代目剣王・サーバインだという事は把握しており、復讐の旅が始まります。
サーバインの襲撃を受け拳王の隠れ里が壊滅する
ヤオは祖父・ファンに連れられ里を後にする
ジパング
ジパングではDQ3時代にアレルによって討伐されたオロチが目覚めてしまいます。
オロチ編が勇者誕生より12年後程とすれば、オロチに関する時期は勇者誕生より9年後程と考える事ができます。
オロチの復活時期と対処方法が語られている
旧版12巻カバー下にオロチに関する情報が記されています。
ここから考えるに知能の低下によりまごついている間に聖なる龍の像を造って対処できたように見えます。
聖なる龍の像は短期間で造る事ができそうですが、オリハルコンは希少なものなので探し出すのは手間取ったのではないでしょうか。聖なる龍の像の製造まではトータルでそこそこの月日がかかるように思われますが、オロチが暴れ出す前に再封印を成功させています。
オロチ編ではオモカネの暗躍が描かれています。オロチの再封印が滞りなく成功している点から、まだこの頃にはジパングに攻勢をかけてはいないように思われます。
旧版カバー裏のオロチの情報
知能の低下が記されている
カダルの修行編へと続きます。
短編分に対応
グノンの魔王軍参入時期に関する記述を追加
※ 紙媒体の漫画をスキャンした物を引用している箇所があります。
冊子スキャン時特有の歪みやノイズが出ている所があります。
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