ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章・紋章を継ぐ者達へ 考察 アルト編 【2022.8.14更新】

アルト編とは、紋継32巻303話~34巻320話の間に登場する勇者アルトに関する時代です。時系列的にDQ11とムー編の間に位置すると考えられます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P26

 

 

この時代の主軸は精霊ルビスと人間であったゾーマの関係です。2人の関係がこじれていく事により、勇者アルトの死亡、大魔王ゾーマの誕生、アレフガルド創造といった事が起こります。この時代の混乱は以降の時代にも尾を引き、DQ3時代以降の世界も混沌に包まれていきます。

 

断片的に語られる出来事の時系を考察していきます。

 

*この記事には2022/12/2発売のヤングガンガン2022 NO.24に掲載された短編の影響はありません。

 

  

 ロト紋シリーズは『マンガUP!』などのアプリで気軽に読む事ができます

本記事は本編をお読みになった後にご覧下さい

 

  

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本記事では時系列・出来事を把握しやすくするため表を使用しています

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0.アルト編の前提

 

勇者の祖との戦いの渦中闇に堕ちたゾーマ

世界を守るために自らを犠牲にして精霊となったルビス

以来…両者は勇者を挟んで世界の攻防を繰り返す

 

ルビス様はその闇から世界を守るために

光で満たされた大地アレフガルドを作り

闇の世界を封じ

 

勇者は闇の力と戦うために

ルビス様の加護の下

代々その血と力を受け継いできた

 

出典:

スクウェア・エニックス ヤングガンガンコミックス

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~』

作画:藤原カムイ/ 脚本:梅村崇/監修:堀井雄二

32巻299話P84

  

アルト編は『ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説』の設定を所々に取り入れています。

 

この時代にはラーミアは登場しません。地上世界のみが存在しています。

異界より現れし邪神シドーが地上世界を脅かしています(紋継33巻304話)

 

DQ8の時代に誕生した暗黒のオーブはルビスが大地の精霊恩寵教団に託し守らせています(紋継33巻304話)

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P5

  

 

大地の精霊恩寵教団の所在地は不明です。紋継32巻303話では風車が描かれており、現実・オランダの位置としつつ、DQ3時代との地形差が少ないとすればシャンパーニの塔の北部辺りになります。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  32巻303話P193

大地の精霊恩寵教団のある町の様子

風車のある様子は現実でのオランダを連想させる

 

 

 

現実でのオランダの位置

シャンパーニの塔の場所はフランス北東部のシャンパーニュ地方が該当する

シャンパーニュの中心都市であるRemis(ランス)はパリの北東に位置する

  

 

大地の精霊恩寵教団のマークは逆Y字とU字を組み合わせた形をしています。ロト紋・紋継時代ではほとんどの教会が十字型、Ψ型になっています。紋継31巻295話のメルキドと紋継34巻323話のエジンベアのみ大地の精霊恩寵教団の形に近い逆Y字型になっていますが、大地の精霊恩寵教団との繋がりは特に描かれていません

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P3

大地の精霊恩寵教団のマーク

逆Y字とU字を組み合わせたような形状をしている

  

 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  31巻295話P203

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻324話P300

 ロト紋・紋継時代に大地の精霊恩寵教団のマークは登場しない

メルキドエジンベアの逆Y字が近い形をしている

 

  

1.礼拝前

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

午後の礼拝についてのゾーマとアルトの会話

紋継303話

ゾーマの身分は神官騎士

紋継312話

ゾーマは勇者の祖と同族の大地の精霊に携わるものであった

紋継299話

  

穏やかな風貌のゾーマと自由すぎるアルトが登場します。

ゾーマとアルトの装備は数回変わりますが、ここではアルトは特徴的なコート、ゾーマは前締めのコートを着用しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  32巻303話P196

たれ目、くせっ毛、特徴的なコートを纏うアルト

私見だがアルトはどことなく稲田キャラ的な風貌をしているような?

  

 

紋継32巻299話で『ゾーマは勇者の祖と同族の大地の精霊に携わるものであった』と説明されています。

 

紋継32巻303話でゾーマの血には天空人の因子がない事が明記されています。ゾーマが勇者の血筋ではないと考える事ができます。

 

紋継32巻299話で勇者の血は闇の肉体を蝕むとあります。もしゾーマに勇者の血の力があった場合、魔王化した途端に肉体が崩れ落ちるかもしれません。

 

天空人の因子が『王の年・王の月・王の日』に誕生した者ではないと覚醒しないという事であれば、ゾーマも勇者の血脈であると捉える事もできます。この場合この世に存在する勇者の血脈はアルトとゾーマだけにならなくてはならず、ゾーマに勇者の血脈をもたらした親戚はみな死に絶えている事になります。ただこの説は可能性として消去できないというものであり、確証としては薄めだと思えます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  32巻303話P187

勇者の血と大魔王の血の違いについての説明

作中で勇者として活躍するにはさらに1つないし2つの条件がある

 ・『王の年・王の月・王の日』に誕生する

 ・勇者として覚醒する

この段階を踏まなければ天空人の因子の特徴が現れないかどうかははっきりとしていない  

 

 

上記の点を踏まえて考えるにゾーマとアルトの関係は以下のような形になるのでしょうか。

 

  • ゾーマとアルトは同族=親戚関係
  • 勇者の血脈であるアルトの父親か母親が大地の精霊に携わる一族と婚姻関係となる(勇者の血脈である事は隠している)
  • 勇者の血脈であるアルトの父親か母親が死亡しアルトだけが残る

 

 

2.午後の礼拝

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

礼拝堂

午後の礼拝

邪神の存在が語られる

 

*ゾーマが兄貴分でアルトの面倒を見てきた?

紋継304話

 

アルトの自由さが際立っています。

精霊ルビスの礼拝堂は紋継時代の大地の精霊・シガンの祭壇とはだいぶ赴きが異なっています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P4

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P5

真面目そうな人々の中でアルトの性格はかなり異質

大事な話の最中に寝る勇者の血脈と言えばDQB主人公が思い浮かぶ

  

  

3.ハーゴン襲来

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

礼拝堂

幼いハーゴンバズズを連れて暗黒のオーブを奪いに来る

 

紋継304話

大地の精霊

恩寵教団

祭壇

バズズとの戦闘

 

ルビスの降臨

 

ルビスはアルトとゾーマが世界を守る者達だと確信している

紋継304話

 

暗黒のオーブを守るためゾーマがアルトに呼び掛けているのでアルトには多少の戦闘能力があるように思えます。ただ神官騎士のゾーマよりは劣っています。

 

暗黒のオーブが祭壇に置かれていますが後期のオーブの間のような強力な結界はないようです。幼いハーゴンが少ない手勢で襲いにやって来れる辺り大地の精霊恩寵教団はさほど強大な力を持っているわけでもなさそうです。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P8

アルト時代にはシドーと共にハーゴンが存在している

まだ幼いが魔物を従えているので位は高いように思える

  

 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P9

『転んで会心の一撃』はDQ4の商人・トルネコの特殊行動で勇者の攻撃とはかけ離れている

アルトには勇者の血脈以外にも別の特性があるようでこの頃はそちら側が現れている

  

 

回復魔法の有無が気になります。アルト編での回復魔法の使用描写は2場面、いずれもルビスのみが使っています。DQシリーズでは世界樹が登場しなくても回復魔法が使えるナンバリング作品もありますが、アルト編の段階では人間が回復魔法を使用するためには地上に世界樹がある事が必須のように見えます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P12

ルビスが降臨し倒れたゾーマを癒す

回復の技に驚いているのでこの頃の人間には使えない技だと推測できる

この時点での世界樹DQ11の命の大樹であり地上から離れた場所に存在している

 

 

4.旅立ち

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

 

アルトとゾーマが旅立つ

 

*ルビスは基本教団内に残る

紋継304話

 

この場面にルビスはいませんが他の場面を見る限り教団内に残っているようです。残る理由としては暗黒のオーブに結界を張っている等でしょうか。

 

アルトとゾーマが旅立つ時はアルトは特徴的なコート、ゾーマは立襟のコートを前開きで装備しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P14

ルビスの予知能力によって見出されたアルトとゾーマが見送りを受けて旅立つ

教団の僧侶や僧兵の衣装に逆Y字の紋様が入っている

  

 

5.ゾーマの言葉

 

場所 内容 出典話数

場所不明

荒野

『己の弱さを受け入れてこそ人は強くなれる』

ゾーマがアルトに言った言葉

 

*ゾーマは忘れている言葉?

*ルビスの回想、ルビスもついてきている?

紋継313話

 

紋継33巻311話でアランがゾーマに言った『あんたがいたから勇者アルトは強くなれた』に該当するアルトを強くしていった言葉ですね。ゾーマがこの言葉を思い出したかどうかは明確にされていませんが、アランとこのやり取りの後だいぶ態度が変わりますのでもしや…という所です。この言葉は後のルビスを支える言葉にもなります。

 

アルトは特徴的なコート、ゾーマは立襟のコートを前開きで装備しています。比較的初期のイベントでしょう。ルビス視点で描かれているのでルビスが同行した時だと思われます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻313話P34

 紋継時代に失望するルビスがゾーマの言葉を思い出し再起する

  

 

6.恋の始まり

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

ルビスとゾーマの語らい

アルトは昼寝をしている

 

ルビスとゾーマの互いの心が動く

紋継311話

  

教団範囲内での出来事です。アルトは特徴的なコート、ゾーマは襟に装飾のついた立襟のコートを前締めにしています。昼寝をするアルトの傍らでルビスとゾーマが語らっています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻311話P174

アルトの自由っぷりは相変わらず

寝ているアルトを放置しゾーマとルビスが心を通わせる

  

 

この時のゾーマの言葉はルビス個人に対する愛情の念ではなく、ルビスへの感謝と信頼の言葉です。このシーンのゾーマを後にルビスは涙ながらに以下のように語っています。

あの時の真摯な瞳が

清廉な心が

高潔な願いが

世界を思うあなたの姿が

そのすべてが私を惹きつけ

この胸に消えない炎を

熾したのに…

 

出典:

スクウェア・エニックス ヤングガンガンコミックス  

ロトの紋章 紋章を継ぐ者達へ』

作画:藤原カムイ/ 脚本:映島巡/脚本:梅村崇/監修:堀井雄二

紋継33巻311話

 

 

そんなに大仰ではない穏やかな場面でしたがルビスの心中は大変な事になっていたのですね。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻311話P175

ゾーマの言葉にルビスの心が動きゾーマの心もまた動いて行く 

ゾーマがルビスの世界を愛した事によりルビスが世界に縛られて行く 

  

 

7.ゾーマの疑念

 

場所 内容 出典話数

場所不明

メキメキと強くなっていくアルトをゾーマが不思議に思っている

紋継304話

 

道中戦いを重ねていく中でゾーマはアルトが何者なのかを考え出します。

 

装備が変わります。アルトは首元が白い鎧、ゾーマは肩アーマーに棘2本・腰に白いコートを装備しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P15

戦いの遷移が描かれている

最初のコマは滅びた町での攻防のようにも見えるが相手のアークデーモンには右目に傷がない

  

 

8.アルトの素性

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

ルビスがアルトは勇者の血筋である事を明かす

アルト本人は気付いていない


勇者の血脈はひた隠しにされ長き平和の中で忘れ去られた

勇者の血脈は禁断の愛によって生まれた事も明かす

紋継305話

 

ゾーマがアルトの存在を強烈に意識している段階です。

ルビスも過去に倣い勇者の血脈を守るためにアルトの素性を明かさなかったのだと思いますが、ゾーマの猛追を受けとうとう口にしてしまいます。

 

勇者の血脈についての説明の中で『禁断の愛』という言葉にゾーマが光明を見出します。

 

場所は大地の精霊恩寵教団内でしょう。ゾーマは戦闘用の装備ではなく立襟のコートを前開きで着用しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P38

勇者の血脈についての説明で羽根が舞っている

天空人の血を意識している? 

  

 

9.ルビスの拒絶

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

ゾーマの愛をルビスが拒絶する

 

*ゾーマは対話を求めたがルビスは対話すらしなかった

紋継305話

紋継311話

ゾーマが勇者の存在を引き合いに出して問い詰める

紋継305話

 

ゾーマが大胆になってきました。

ゾーマの『勇者の存在こそがその答えじゃないんですか!?』は禁断の愛があったゆえに世界を守る勇者が生まれたのではないか?種族の垣根を超えてでも全うしようとする愛は尊いものではないのか?というような意味合いでしょうか。

 

最初はルビスの「世界を守る」という仕事を通してルビスに好意を持ったゾーマでしたが、この段階ではルビスそのものを愛しています。ゾーマはルビスに愛されている事はわかっており、素直に応える事ができないルビスに苛立ちと同情の感情を持っています。ゾーマの願いはお互いが愛し合っている事を認め幸せになる事のようで、ゾーマだけが愛を表明しルビスを支えていく関係は成り立たないようです。

 

一方ルビスはと言えば、まず世界を守るという責任があります。またルビスが最初に好きになったゾーマは世界を思う高潔なゾーマです。愛されるのは嬉しいけれど、ゾーマのためにゾーマが望んだ世界を実現したい、そのために愛に応えることはできない、といった状態です。

 

場所は大地の精霊恩寵教団内です。ゾーマは戦闘用の装備ではなく立襟のコートを前締めで着用しています。 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P39

ゾーマの問いかけにルビスは一切応じない

ルビスの1番の理想のゾーマは世界を想うゾーマだろうが

DQ3~紋継のクインゾルマを見るにゾーマそのものも愛しているように見える

理想のゾーマを前にして心が動いた出来事はルビスにとって美しく大事にしたい思い出であり

ゾーマを理想の型から遠ざけてしまうような行為は自身の為にもためらわれたのかもしれない

  

 

10.アルトの言葉

 

場所 内容 出典話数

場所不明

滅びた町

アルトとゾーマが魔物の軍勢に囲まれ窮地に立たされている

アルトは勝つことを『諦めない』

 

アルトが魔物を撃退する

ゾーマがどうしてそこまで戦えるのかを問う

紋継317話

『ずっと君の背中を追いかけてた

  君がいつも前を歩いていてくれたから 僕はここにいる』

 

*ゾーマが忘れ去ってしまった言葉、思い出すのは最後

*ルビスは高い塔の頂上から見守っている

紋継317話

紋継319話

 

この場面は紋継33巻304話のアルトとゾーマの戦いの移ろいを描いた一番最初の場面と同じようにも見えます。ただ魔物達が『ここまで散々手こずらせてくれたが』と言っている事、アークデーモンの右目に傷がある事、アルトが『ここまで来たんだ』と言っている事から、別場面であり戦い出してかなり経った頃ではないでしょうか。

 

アルトが戦って魔物を追い払っているので初期よりも戦闘能力があがっています。ゾーマがアルトが勇者の血筋である事を知っている頃でもあり、勇者の存在について考え出し憎しみが増し出す頃です。時系列的にはこの辺りではないかと思われます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻317話P144

滅びた市街地での戦闘 魔物の軍勢に追いつめられている

アルトと対峙するアークデーモンの右目の傷は古傷のように見える

この戦闘でできた傷ではないように見える

紋継33巻304話のアークデーモンと同じ魔物でありこの場面で再戦しているのかもしれない

  

 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻317話P145

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻317話P147

勇者としてのアルトの言葉『諦めない』

離れた場所にある塔の上からルビスが見ている

紋継10巻表紙に似たような塔が描かれているが螺旋の向きが逆だったりと完全一致はしていない

同一のものではないが関連性はあるのだろうか?

  

 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻319話P218

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  34巻319話P219

もうひとつのアルトの言葉 ゾーマへの言葉

勇者の言葉は色々あるが紋継時代のアロスの『勇者は一人でなるもんじゃないって』に近い

紋継時代の最終決戦終わり間際にアロスの勇者としての言動からゾーマが思い出す

  

 

比較的後期の場面だと思われますが、初期装備・非戦闘装備である特徴的なコートと前締めのコートを装備しています。魔物達が用意周到なように見えるので、大地の精霊恩寵教団を急襲する魔物達を教団からやや離れた滅ぼされた市街地まで追いやっている途中と受け取れなくもないでしょうか。

 

 

11.欲望の分離

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

ルビスがゾーマを思う心・欲望を失うことを決意する

紋継305話

*自分の想いから逃げる

紋継311話

天空城

マスタードラゴンによってルビスの欲望が切り離される

流れ落ちた涙から結晶・妖精の涙が生まれる

 

*妖精の涙はルビスによって保管される?

 紋継時代にティーエに託される

紋継305話

ゾーマへの愛を断ち勇者を守る事を選択した結果

魂の一部が分離される

 

*後のDQ3時代頃に無意識にゾーマの元へ導かれる

紋継309話

大地の精霊

恩寵教団

ルビスが欲望を切り離した事をゾーマに話す


*ゾーマの勇者への憎しみが募って行く

紋継305話

 

アルトとゾーマを見送る場面ですが、別の時期のはずなのに最初に旅立った時と同じ絵です。よって初期装備・非戦闘装備である特徴的なコートと立襟のコートを前開きで装備していますが…毎度フル装備で出発していくわけでもないと考える事にします。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P40

 紋継33巻304話P14と紋継33巻305話P40のコマは同じ絵だが時期は異なるはず

  

 

紋継時代には2つの浮遊城が存在しますが、ここで登場する浮遊城はドーム屋根の宮殿風の城、DQ7天上の神殿に似ている城のみです。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P41

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P41

ルビスのゾーマを想う心=欲望がマスタードラゴンによって切り離される

  

 

切り離された魂がゾーマの元へ辿り着くのはDQ3の時代頃なので(紋継33巻309話)、一万二千年以上彷徨っていた事になります。

 

欲望を切り離した後の場面ではゾーマは立襟のコートを前開きで装備しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P42

ルビスは欲望を失った事をゾーマに伝える ルビスによる一方的な対話の終了

ゾーマを想ってこその行動でもあったが恐らくそれは伝えていない

ゾーマはルビスの行動を勇者のためだけの行動と思い込んでしまう

『妖精の涙』の保管者は明らかにされていないが恐らくルビス本人ではないだろうか

紋継時代にティーエに託される事になる

  

  

12.ルビスの同行

 

場所 内容 出典話数

場所不明

封じられた場所を解放するためにルビスが旅に同行している

 

アルトが身を挺してルビスを庇う

紋継304話

身を危険に晒してまでルビスを守るアルトにルビスが問う

アルトはルビスを守りたかったと答える

紋継304話

紋継305話

ルビスがアルトにお守りを渡す事を決める

 

ルビスがふとゾーマを見るがゾーマは視線を拒絶する

紋継305話

ルビスがアルトを回復する

 

ゾーマが苦々しく二人を見ている

紋継304話

 

ルビスの同行が描かれるのは3回目、印象の強い回です。

ゾーマのアルトに対する憎しみと羨望が高まっています。

 

装備が変わります。アルトは首元が立襟の鎧(白くない)、ゾーマは大きな肩アーマー・ファー付マント・腰にコートを装備しています。紋継33巻304話ではなぜか1コマだけ装備が変わっていますが、魔物も岩場も前コマと同じなので同じ場面だと思います。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P16

 ゾーマバーサーカーを倒したコマだけ装備が違う…

  

 

傷付いたアルトを前にしてルビスが『お守り』を渡す事を決めます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P43

『あなたは自分が死ぬとは思わなかったのですか!?』の場面は304話と305話に登場する

ルビス視点で語られる紋継305話で『お守り』の話が出てくる

  

 

ルビスがアルトを回復する中、背を向けたゾーマが力を欲し出します。

紋継32巻巻末の次巻予告で『精霊ルビスと勇者アルト。二人の間に起きた事件を契機に、ゾーマは魔へ身を染めていく―――。』とあります。その事件とはこの場面だと思います。個人的には『事件』という程大仰でもなく単なる冒険中の一幕のように見えますが…この頃のゾーマの引き金を引くには十分な出来事だったようです。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P43

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P17

ふとゾーマを見るルビス

表情を見るに別にゾーマに見せつけているような素振りもなく

単純に様子を見ただけだったと思うがその視線すらゾーマには…

ゾーマは劣等感に苛まれる中ただただ力のみを欲するようになっていく

 

個人的にアルトにとってルビスは神以外の何者でもなく恋愛対象として見る事もないような...

ゾーマもそう言うアルトの気質を充分にわかっていそうだけど絶賛拗らせ中だからなぁ

アルトの位置に立ちたい·ルビスを独占したいと言う思いが第一な気がする

 

 

13.暗黒のオーブ取込

 

場所 内容 出典話数

場所不明

滅びた町

ゾーマが倒した魔物の言葉から暗黒のオーブを意識する

紋継304話

紋継310話

大地の精霊

恩寵教団

祭壇

ゾーマが暗黒のオーブを取り込もうとする

紋継304話

オーブが内包する強大な闇の力は

人間ではわずかしか汲めない


*ゾーマの顔付が変わる

*僅かでもシドーを倒すには十分な力

紋継310話

 

ゾーマが魔物の呟きを聞いている時の装備が変わっています。影だけなので詳細は不明ですがアルトは腰にコートを着用しているようです。ゾーマは首元上部が一周白い鎧・肩にファーかトゲのような物が付いているコートを着用しています。

 

とうとうゾーマが暗黒のオーブの力を取り込みます。少し手を伸ばしただけで死にそうになってましたね…途中までのゾーマは意気揚々としていたのでかなりギャップがある場面でした。教団内では立襟のコートを前締めで着用しています。 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P18

ゾーマは戦いの最中魔物の呟きからヒントを得る

神官騎士の立場を忘れ本来守るべき暗黒のオーブを我が物にしようとする 

  

  

14.最終決戦出発

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

最終決戦前

教団の部隊も赴く、慌ただしく準備に追われている

 

ゾーマがアルトと先発隊を先に行かせる

紋継304話

古の勇者の称号を刻んだ聖鳥の紋章、聖なる守り

身に着けると即死を免れる

 

*古の勇者=DQ11

紋継305話

聖なる守りを持ったルビスがアルトを探している

ゾーマとルビスの会話

ルビスがアルトにお守りを渡せなかった事を残念がっている

 

*ゾーマにお守りを渡さない

紋継304話

紋継305話

ルビスがゾーマから闇の波動を感じる

紋継305話

 

鈍いアルトもさすがにゾーマの変化に気付きます。もっともらしい言動でゾーマが上手くかわしています。ゾーマの馬が普通じゃないんですけど教団の人は何とも思わなかったのか…ゾーマが上手くかわしたのか、準備に追われてそれどころじゃなかったのか、といった所でしょうか。

 

残ったゾーマが自らルビスに話しかけたのは最後に一縷の望みをかけていたのでしょうか。ルビスの心はもう動きませんがゾーマを想っていた過去は覚えている為警戒して表情を硬くしているように感じられます。

 

ルビスが持っているお守りはいわゆる『せいなるまもり・ロトのしるし・ロトの紋章』です。ロト紋的時系列で考えるとアルト編で初登場となります。この時代に作られたと捉える事もできます。

 

アルトがいなければ仲間であるゾーマにお守りを渡せばいいと思うのですが、ルビスは渡す事なく見送っています。あまりゾーマとやり取りをしたくなかったからでしょうか。出発間際にゾーマの闇の波動をしっかり感じ取ったにも関わらずそのまま送り出してしまいます。

  

最終決戦に向けて装備が変わります。アルトは首元に白い布・胸部にロトの紋章似の模様入りの鎧・腰にコート、ゾーマはシンプルな鎧の上に襟に装飾のある立襟のコートを前開きで装備しています。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P20

ルビスがアルトをお守りを渡そうとアルトを探す場面は紋継304話と紋継305話に登場する

  

 

15.シドー戦

 

場所 内容 出典話数

異空間

アルトとゾーマがシドーと対峙する

アルトとゾーマがシドーによって別の空間に追いやられる

紋継304話

シガンの場所

図らずもシガンのいる場所を訪れる

 

*シガンとルビスは同格?

 

アルトがシガンより乖裂剣を渡される

空裂斬を伝えられる

紋継304話

異空間

アルトとゾーマがシドーの元に戻ってくる

アルトが空裂斬でシドーを異空間へ追いやる

 

シドーとの決着後

ゾーマがアルトを背後から刺して殺害する

アルトは理由を知らないまま絶命する

紋継304話

  

シドーが自身を崇めるよう告げる言葉にアルトとゾーマが反発します。アルトはルビスに仕えている為、ゾーマは自身よりも弱い存在に仕える理由がない為です。アルトの『僕たちがお仕えするのはルビス様だけだ!!』の『僕たち』はすでに瓦解しています。

 

シガンが登場しますがアルトとゾーマはシガンの姿を知りません。同じ大地の精霊として名前くらいは知っていたかどうかはこのシーンだけでは判断できません。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P23

シガンに初めて出会うだろうアルトとゾーマ

2人の関係は悪化しているが不思議な事に出会った時に顔を見合わせるクセは健在だった

 

 

シガンから渡された剣である乖裂剣は紋継オリジナルの剣です。

この剣を使用する事によりDQ11に登場する剣技を放つ事が可能になるようになるようです(DQ11に登場する剣技は『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場するアバン流殺法の内の刀殺法のオマージュ)

 

『大地を…空を裂く』と説明されているので少なくとも大地斬、空裂斬は使用できるはずです。シドーを封印する際は空間を裂く目的で空裂斬を使用したと捉えられます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P26

シドーは異空間出身とされている

空を裂きシドーを元の場所に戻すためにアルトが空裂斬を放つ

 

 

ゾーマがアルトを刺して死亡させる場面はDQ11のローシュとウラノスのオマージュです。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻304話P28

アルトがシドーを倒した事を確認し背後から刺すゾーマ

色々な予兆はあったもののアルトは最後までゾーマを信じていた

  

 

16.大魔王ゾーマ誕生

 

場所 内容 出典話数

異空間

ゾーマはルビスの愛するもの全てを壊そうとする

全てが滅んでしまえばルビスも苦痛から解放される

 

ゾーマの闇の力に呼応して魔界の扉が開かれる

額に目が現れる

紋継305話

突然変異により大魔王となる

紋継303話

魔界

魔物達が見守る中、魔王として玉座に進んでいく

紋継305話

  

ゾーマの思い違いが最高潮に達してしまいます。

 

額に目が現れた時が人間から魔族になった瞬間でしょう。いきなり魔王になれたあたりに暗黒のオーブの力の凄まじさを感じます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P32

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P33

額に目が現れる

魔界の魔物達に迎え入れられ魔王として君臨する

 

 

DRAGON QUEST MONSTERS 1 ILLUSTRATED BOOK』のボスの項目にはボスと魔界について言及している箇所があります。

 

ここまで紹介してきた「モンスター」とされる種族たちは、通常は組織的行動を取らずに生活している。

 

しかし、時に『魔王』と呼ばれる存在を頂点とした軍事勢力となり、精霊神信仰を中核とする社会秩序に対して脅威となる事があった。

 

現在までに数体の魔王が現れており、魔界は単一の世界ではなく、いくつかの世界が平行して存在すると考えられる。そしてそれぞれの世界で、絶対の支配体制を築き上げた者が魔王になると推測される。

 

出典:集英社 DRAGON QUEST MONSTERS 1 ILLUSTRATED BOOK P137 

 

 

同書の中では、この世界とは次元が違う異世界を魔界と定義している箇所もあります。DQシリーズでは複数の魔王が登場していますが、説明を見る感じ各魔王が支配する『魔界』は基本的にそれぞれ異なる世界と考えられているようです。

 

恐らくゾーマが招かれた『魔界』は魔王が不在の世界であり、魔物達が支配者を欲していた世界だったように思われます。なぜ魔界内で新たな魔王が即位しなかったのか?わざわざ外の世界から魔王を招いた理由は何なのか?何事かに対処するため早急に魔王を探し出す必要でもあったのでしょうか?想像の余地がある部分です。

 

 

17.勇者の死

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

アルト達がシドーとの対決の為に旅立ってから3日目の朝


大地の精霊恩寵教団にアルトの遺骸が戻る

 

検死が行われゾーマの仕業だと断定される

 

アルトの蘇生はできない

勇者の血筋が途絶える

紋継305話

 

異空間のアルトの遺体をどうやって回収したのかは明らかにされていません。紋継33巻304話でゾーマが魔界に移る際、異空間全体が闇の力を受けているようにも見えます。この時に異空間が消失し共に出征していた恩寵教団の人々の前にアルトが戻ったと考えられます。

 

遺体は綺麗ですがこの時点では地上世界に世界樹がありません。そしてロト紋連載時と紋継連載時では蘇生に関する設定が異なっています。アルト時代の蘇生条件はどう捉えればいいのか…アルトの魂が肉体を離れ冥界に行ってしまっている状態だとしたら、ロト紋連載時的な解釈ならばゾーマの裏切りによって蘇生する意志を失ってしまった、紋継連載時的な解釈ならば冥界からは自力で戻る事ができない、といった所でしょう。

 

紋継時代ではロトの魂達が登場しています。ロトの魂達は冥界に行かずにこの地=現世に留まり世界を見守る存在です。勇者であるアルトもその一員になる素質はありそうですが…

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P46

アルトの遺体がルビスの元に戻る

  

 

18.暗黒のオーブの封印

 

場所 内容 出典話数

地下世界

ルビスがシガンの力を借りて

星の中心にもう一つの星を創造する

ギアガの大穴を開ける

 

新たな大地に祠を建て暗黒のオーブを安置する

地下世界全体を光の結界で覆う

アレフガルド、彩光無限の地と命名する

紋継305話

光の玉で地下世界を常時昼の光で満たし天候を制御する

 

*ロト紋69話、光の玉は竜族の物であり竜族が管理する

 光の玉を貸与している?

ロト紋33話

アレフガルドと天空界を接続するゲートが造られる

 

*ゲートが造られた時期不明

 アレフガルド創造時が一番早いタイミング

紋継310話

ラーミアの祭壇

光の玉+オーブ6つ+=7つのオーブを

竜神族が管理していた

アレフガルドが創造されて

光の玉は別の役割を担う事になった

光の玉と同等のラーミアの祭壇を作り

ラーミア復活の役割の代替とした


*レイアムランドの大地、聖なる双生児も

 同時に作られた? 

紋継313話

ラーミアの祠にオーブの間と同じ女神像を設置する

ロト紋59話

紋継47話

  

地下世界・アレフガルドの創造です。 

光の玉は竜神族の管理下にあるので(ロト紋12巻69話、紋継34巻313話)、暗黒のオーブの封印には竜神族の助けも借りている事になります。オーブを守る事が竜神族の使命とはされていません。また光の玉の所有権は竜神族から離れていないようです。光の玉は貸与されたものと考えられます。

 

紋継24巻231話でラーミアの祠の破壊に伴い、聖なる双生児・レイアムアンドが消失しています。光の玉の代わりとなるラーミア復活に関わるこの3つは同時代に作られたと考えられます。

 

アレフガルドを昼夜光で満たすメタ的な理由はロト紋連載時にロト紋シリーズの未来であったFC版DQ1DQ2に準拠するためだと思われます。昼夜の表現はFC版DQ3から始まったものであり、FC版DQ1DQ2では夜の表現がありません。ナンバリングのゲームシステムの差を設定でカバーしています。

 

ロト紋連載の途中に発売されたSFCDQ1・2においてDQ2で夜の演出が入った事を皮切りに、概念的なものであった夜が現実的な物へと変わります。Returns以降にロト紋シリーズの未来がFC版からSFC版以降のゲーム版へと変更され、それに伴い地下世界の昼夜の光の設定が不要になったように見えます。エデン・Returns・紋継ではアレフガルドの夜が描かれるようになります。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P49

彩光無限の地・アレフガルドの創造

暗黒のオーブと光のオーブが安置された祠の場所にはDQ3時代にラダトーム城が建つ

  

 

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  21巻213話P177

DQ8時代からDQ3ロト紋までのラーミアの関係図 (ルーン文字は鏡文字、ほぼ解読不能)

光のオーブが暗黒のオーブ封印に用いられたため 

6つのオーブはラーミアの祭壇・聖なる双生児が束ねるようになる

右上はDQ8主人公・エイトとレティス中央下のドラゴンは耳ヒレ?があるのでDQ8竜神王の竜形態

ラーミアの祭壇設置時にオーブを管理していたのはDQ8竜神王という事か?

 

 

紋継時代には天空界とアレフガルドがゲート接続されている事が確認できます。

このゲートがいつ作られたものかは不明ですが接続先がアレフガルドな事もあり、アレフガルド創成時に接続された可能性が一番高いように思えます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻310話P166

ゲート接続は旅の扉とは異なり2つの目的地を直接接続するもの

接続先がアレフガルドな事からアレフガルド創成時か異魔神に備えるためアレフガルドに現れた時かでは?

  

 

19.世界樹の移植

 

場所 内容 出典話数

地上世界

地上世界に聖木を植える

 

*DQ11の命の大樹

紋継305話

シガンがこの地で世界樹を支え永遠に枯れない力の源となる

紋継284話

 

DQ11時代から存在する世界樹・命の大樹が地上世界に植えられます。

 

紋継33巻305話では大樹を浮かべて移送している様が描写されています。大樹の左下に浮いている人造物が描かれています。これで大樹を誘導しているのでしょう。

 

ゲーム版DQ3で存在していた世界樹の周りの4つの大岩が描写されています。ロト紋15巻82,83話ではルビスはこの大岩からロトの紋章を空へ映し出しています。大岩はルビスが設置したものであり、ここでは大樹誘導のために用いていると推測できます。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻305話P50

地上世界に世界樹がもたらされる

これにより人間にも回復魔法が使用できるようになる?

 

 

シガンが世界樹を管理する役目を負うのはこの時からです。地上世界のこの場所で世界樹を守り続けるようになります。

 

 

20.勇者の復活

 

場所 内容 出典話数

地上世界

『次に…

 地上には聖木を植えましょう…

 

 命を再生する葉を宿す神の大樹を…

 

 異なる世界よりその道を繋がねばなりません

 

 そして途絶えた希望も…』

 

*希望=勇者

紋継305話

アリアハン

アリアハンに勇者を隠す

紋継238話

 

勇者の条件

 

勇者をどうやって復活させたのかは明らかにされていません。

 

紋継時代に語られる勇者とは以下のようになります。

 

 ①天空人の血、竜神族の血を持つ者(紋継32巻296,32巻302,32巻303話)

 ②ルビスと同じ精霊の国で生まれた戦士の末裔(紋継32巻296話)

 ③大地の精霊に携わる者(紋継32巻299話)

 

①の天空人の血、竜神族の血は必須です。これはDQ8時代より後の勇者であればクリアできます。

 

②の精霊の国は『ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説』の異世界イデーンを思わせます。ロト紋的解釈ではDQ9DQ6の間くらいにルビスが人間から精霊になったとされています。その間にイデーンのような世界があったと捉える所でしょうか。DQ6時代より後の勇者であればクリアできそうに思えます。

 

③の大地の精霊の条件は正しくは『ゾーマは勇者の祖と同族の大地の精霊に携わるものであった』(紋継32巻299話)からの条件なのでアルトもしくはアルトに近い血筋の者しかクリアできません。アルトの条件に関してはDQ11のローシュとユグノア王国との関係と同様の方法でもクリアできそうにも思えます。

 

 

世界樹に関連した復活の場合 

 

紋継33巻305話の『異なる世界より~』の一行が前の文章の続きなら、この文は世界樹の事を示しており『異なる世界』は『冥界』になります。次の文章の頭に『そして』があり前の文章との関連性を示すのなら『その道』は冥界と現世を繋ぐ道になります。

 

一連の文章を世界樹に関する事と読み解くと、冥界からアルトの魂を呼び戻し復活したと受け取れます。紋継33巻305話での『蘇生できない』はルビスの能力だけでは不可能という事であり、世界樹を用いれば可能という事になります。素直に読むとこのパターンが正解のように見えます。

 

 

世界樹に関連しない復活の場合

 

 『異なる世界より~』の一行が世界樹に関係しないのなら、勇者を異なる世界から導いたように読めます。この時代にレティスが現れる事ができるのなら『ドラゴンクエストヒーローズ』の方法で別の勇者を呼ぶ事は可能です。その場合『異なる世界』は『別時代』となります。

 

また、アルト編はDQ11に比較的近い時代なのでDQ11のように過ぎ去りし時を求める事も可能だと思われます。何らかの方法でアルトが生き延びる事も可能かもしれません。

 

この勇者復活については現在明確な答えが出ていないので、各々楽しく好きな復活方法を考えてよい所なのだと思います。

 

アリアハンの存在

 

紋継25巻238話でアリアハンについて『かつてその地は勇者を隠すために隔絶されていた』と話されます。アルト時代に勇者の血脈を復活しそのままアリアハンに隠し続けたと捉えられます。アリアハン大陸がすでに存在していたのかは不明ですが、この時代に新たに創造した可能性もあるように思われます。

  

 

21.その後

 

場所 内容 出典話数

大地の精霊

恩寵教団

魔王となったゾーマが暗黒のオーブを求めてやってくる

すでに暗黒のオーブは移された後だった

 

魔王軍は世界侵略を始め

暗黒のオーブの手掛かりを探し続ける

 

*大地の精霊恩寵教団が滅ぼされる?

紋継310話

魔界

ルビスが幾万幾億の魔物が住む世界を

地下世界よりもはるか深き所に堕とす

 

*地下世界が創造されてから後の出来事?

紋継149話

 

この頃のゾーマには頭に2本の角が生えています。まだ人間だった頃の特徴がだいぶ残っています。アルト時代後期~ムー時代の出来事だと思われます。

 

大地の精霊恩寵教団の建物が破壊されているのでこの時点で教団が滅ぼされたかもしれませんが、暗黒のオーブを守る事が使命ならば地下世界が創造された時点で拠点を移している可能性もあります。ロト紋・紋継時代にはまったく聞かない組織名なのでこのタイミングではないにしろ、かなり古い時代に組織自体は解体されています。

 

魔界の話は時期がはっきりしませんが、地下世界創造後かつルビス封印前とするとアルト時代後期~ムー時代の間の出来事になるのではないでしょうか。ゾーマが地下世界を発見するまで一万二千年程かかるので比較的早期に実行し魔界からの侵攻を食い止めていたと考えられます。ルビスが魔王の正体を知るのはDQ3時代になってからです。

スクウェア・エニックス YG ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~  33巻310話P149

大地の精霊恩寵教団を襲撃するゾーマ

シドー討伐時から少し姿が変わっている

魔王軍を組織して暗黒のオーブを探っている場面では魔装束を纏った姿になっている

 

 

ムー時代へと続きます。

 

 

 
初出 2021/8/7
 
改訂 2022/8/14
 表内の文章を簡略化
 追加修正

 

 

※ 紙媒体の漫画をスキャンした物を引用している箇所があります。

  冊子スキャン時特有の歪みやノイズが出ている所があります。 

 

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