紋継・魔克爆弾実験編とは、ラダトーム城での紋章発見に関わる一連の事件後~失われし日より前の約4年間の時期です。
ロトマニアのシルシル・ミシルが竜王と関わりを持ちます。旧ゾーマ城の調査が開始されます。ジパングではイサリが守長となります。
ロマリアとポルトガについての事柄が多く発生します。魔克爆弾実験がきっかけとなりDQ3時代に封印されていたクインゾルマの精神が解かれます。クインゾルマはラーミアの転生に介入し世界を破滅に導くべく暗躍を開始します。
断片的に語られる出来事の時系列を考察していきます。
*この記事には2022/12/2発売のヤングガンガン2022 NO.24に掲載された短編の影響はありません。
1.魔克爆弾実験前
場所 | 内容 | 出典話数 |
【紋継1話開始より7.5年前】 勇者の足跡を辿る旅に出る
*ロト記念館でロト伝説を知り旅を決意する *物心つく頃=3~4歳くらい? *アロスより2歳年下なら3.5歳 |
紋継282話 |
|
竜王城 |
*城の形状が紋継時代の形状に変わる *紋継282話、紋継1話開始より7年前 形状変化する |
紋継189話 |
竜王城 |
【紋継1話開始より7年前】 虹のしずくを拝借して竜王城へ赴く |
紋継282話 |
秘密の隠し部屋を発見する
*竜王軍が隠し部屋の調査を開始する *竜王城は紋継1巻~紋継13話までは一旦形状が戻る *紋継23話までには紋継版に形状復帰する |
紋継194話 |
|
【紋継1話開始より7年前】 メルキドに地下施設を発見する
*紋継・バラモス戦より8年前 *以降3人はメルキドに留まる |
紋継282話 |
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ゴーレムを用いたメルキドの防衛システムは 先代の研究 アシモフが引き継ぐ |
紋継295話 |
|
カーメン |
前国王夫妻が亡くなり アルスがカーメン王として即位する
*アルスが調査に出発する前までには即位している *アルスをカーメン5世と呼ぶ場面はない |
紋継279話 |
大カーメン |
【紋継1話開始より6年前】 アルスが調査のためカーメン城から出発する
*1年後の神器喪失時に雷の神器に取り込まれる 帰還できるのは7年後 |
紋継279話 |
テドン ・ ポロン宅 |
造船作業中のポロンにレーベンが いくつか魔法を披露する |
紋継200話 |
*占星術の勉強は失われし日以降? |
紋継54話 |
|
テドン
・ ポロン宅 |
【紋継1話開始より5年前頃】 レーベン10歳頃 ポロンから実の親でないと教えられる |
紋継61話 |
イヨが倒れ皆既日食が起こる イサリの助けを受けたイトがイヨの代わりを務め 悪しき存在を退ける
*この件をきっかけにイサリはイトを認め イトはイサリを尊敬する |
紋継17巻 |
|
・ 守人の隠れ里 |
イサリが守長を継承する |
紋継45話 紋継17巻 |
証を腕に刻む 神器のためだけに生涯を生き 神器のためにその命を捧げる事になる 使命全うのために里の者は 皆守長の手となり足となる 全ては神器のため |
紋継45話 |
シルシルとミシル
シルシルとミシルの情報が出てきます。
物心つく年齢と勇者の足跡を辿る旅の事を考えるとアロスより2歳年下くらいになる気がします。
紋継24巻236話でルイーダはシルシルとミシルの腕前を知っています。マムルはシルシルとミシルとは初対面であり、呪文使いの能力を知らずにいます。もしシルシルとミシルが時々メルキドから里帰りをしていればマムルと出会う率も上がっていたはずです。この辺りの理由として思い付くのは以下の2点でしょうか。
・アリアハンを旅立った後は帰省せずメルキドでの研究に没頭していた
ルイーダにだけは便りを出し近況を知らせていた
・シルシルとミシルがアリアハンにいた頃マルムは町を離れていた
船乗りになるためにポロンの元で修行していた
船乗りになった為仕事でアリアハンを離れている時期が増えていた
紋継時代にシルシルとミシルのデタラメな強さを目の当たりにするマムル
シルシルとミシルと共に行動しているアシモフを2人は『アシモフ先生』と呼んでいます(紋継30巻282話) 作中ではアシモフが呪文を使う場面はなく、科学者然とした姿が多く描かれています。紋継30巻282話でアシモフが『錬金術と呪文の相関体系』という本を読んでいたのでまったく呪文に関係していない訳ではなさそうです。賢者程の能力はないにせよ多少は呪文の心得がありシルシルとミシルに教えていたと考える所でしょうか。
シルシルとミシルがいつから呪文の勉強をしていたのかははっきりしていないので、アリアハンにいた頃から天才だったのかは不明です。アリアハンにいた頃は幼すぎるし、紋継24巻236話で『修行三昧 放浪三昧』と修行と放浪の2つを並べているので本腰をいれて呪文の勉強をしたのは旅立った後のように思えます。旅立った数年後に失われし日がきてしまうので実際に呪文を使いながらの勉強できた期間はあまり長くはないはずです。
シルシルとミシルの登場は紋継18巻184話、アシモフの登場は紋継30巻282話
登場するタイミングにかなり差がある
3人の関係について親子や兄弟と言及されている場面はない
2人が幼い頃から共にいるアシモフは養父のような存在でもあるように思える
竜王城の変貌
ロト紋86話、異魔神討伐より7年後程の頃は四角い外観だった元ゾーマ城・竜王城ですが、シルシルとミシル達がやってくるまでには紋継時代の形状に変わります。
ゲーム版での竜王城は中央に大きな尖塔があります。DQ1パッケージ絵やDQⅩドラゴンクエスト誕生30周年記念イベント『 竜王城の決戦 』の城の形です。竜王城の変移を現すため紋継では敢えて異なった形状にしたように見えます。
勇者ロトの足跡を辿る旅をする一行
竜王城は紋継版の形状になっておりめっちゃトガっている
勇者マニアであるシルシルとミシルにとってこの改築はガッカリだったかもしれない?
これから後のアロスの冒険開始~地下世界闇化までは一旦DQ3・ロト紋時代の形状に戻っている
メタ的には紋継版竜王城の形状が定まったのが地下世界闇化時だった為だが
設定的には勇者マニアであるシルシルとミシルの破壊行動という線も捨てきれない
メルキドの地下施設
メルキドの地下施設がいつ頃造られた物かは明確になっていません。メルキドの町には大地の精霊恩寵教団のマークに近い建造物がある事もありアレフガルド創成時からの繋がりが窺われる町でもあります。
メルキドの地下施設 膨大な量の書籍やアイテムが保管されている
大地の恩寵教団のマークに近いものがメルキドの町にある
紋継時代のメルキドの地下施設には未完成のゴーレムが置かれている
紋継30巻282話によるとゴーレムによる防御システムは地下施設を魔物から隠すためとなっている
アルス戴冠
アルスがカーメン国王に即位した時期は明らかになっていません。紋継1巻1話開始時より6年前にカーメン国王の身分のまま調査に出発しているのでそれまでには即位している事になります。
アルスの父親はカーメン4世だったのでアルスはカーメン5世となりますが、作中でアルスをそのように呼ぶ場面は1つもありません。
ロト紋1巻1話でアルスの名は神託によって下されたものとされており、ロトのしるしを受け継ぐ日まで聖なる名前が王子を邪悪なるものより守ると話されています。ロトのしるし・地は国王が所持するものであり、いずれ王子が新たな国王として戴冠する際はカーメン〇世に名が改められ受け継がれた紋章によって身を守る、といった習わしがあるように思われます。
紋継時代にアルスがカーメン5世と名乗らないメタ的な理由はアルス個人を把握しやすくし物語をわかりやすくする為だと思われます。設定的な解釈をするならば、ロト紋時代の最終決戦時に紋章が失われ過去の習わしに従った戴冠が出来なかった為、身を守る為にアルスの名乗りを続けていると受け取る事もできそうです。
紋継時代にアルスをカーメン5世と呼ぶ場面は1つもない
アルス様もしくはアルス王と呼ばれている
レーベン
少し成長したレーベンの場面はこの時期程でしょうか。
エデン12巻の巻末で『呪文は呪文の書を読んで覚える』とあります。エデンより後に連載が始まった紋継にもその設定が適用されるのか、レーベンが本を読んで独学で呪文をマスターしている様子が描かれています。
賢王になる為呪文の練習をしていますがこれから後の失われし日以降は呪文が使えなくなってしまいます。紋継本編でのレーベンは占星術を使用しています。呪文が使えなくなってしまった為占星術を学んだようにも思えます。
造船所で作業をするポロンと呪文の勉強をするレーベン
異魔神討伐後のポロンは賢王の力が無くなった為呪文は一切使用できない
『父さんみたいに』の父さんは造船技師の父ではなく賢者の父
賢者でなくなった事にずっと喪失感を持ち続けているポロンだが
そんな様子は一切見せずにレーベンを応援している
イサリとイト
ジパングでの異変を経てイサリが守長になります。
イトとイサリの外見が本編とあまり変わらない事から失われし日より比較的近い頃の話だと思います。
イサリにとって妹のイトは羨望と憎悪の対象でしかなかったがイトの覚悟を知り考えを改める
イトは民達がイトに失望する中手助けしてくれたイサリに深い感謝の念を持つ
イトはイサリが実の姉である事を知らない
イサリも己の宿命を受け入れ守長となる
2.オーブの所在
場所 | 内容 | 出典話数 |
魔石採掘現場 |
レッドオーブが発掘される 平和の象徴として三国の絆を より一層強く結びつける |
紋継164話 |
シャンパーニ地下 |
レッドオーブが三王の封印の奥に安置される 三王の証が揃わなければ開かない扉の向こう
*三国間が友好だった時期に安置されている? |
紋継154話 |
ラーミアの祠 |
ブルーオーブが戻る
*失われし日に祠の扉が閉まるまでに戻っている? |
紋継43話 |
グリーンオーブが戻る |
紋継33話 紋継92話 |
|
*失われし日より前に戻っている? |
紋継92話 |
|
鷹の師団 |
パープルオーブを手に入れる |
紋継180話 |
*アロスが鷹の師団に在籍している間までには 入手している *失われし日より前に入手している? |
紋継44話 |
レッドオーブ
レッドオーブは魔克爆弾実験で三国間の関係がおかしくなる前にシャンパーニの地下に安置されます。
レッドオーブは魔克爆弾実験の前にシャンパーニの地下に安置されている
ブルーオーブ
ブルーオーブもレッドオーブと似たような時期にラーミアの祠に戻るのではないでしょうか。
ブルーオーブは失われし日より前にラーミアの祠に戻っていると思われる
パープルオーブ
パープルオーブの初期の動きについては不明です。失われし日より前には入手している可能性があります。
パープルオーブは失われし日より後~紋継1話の間には鷹の師団に存在している事が確定している
魔克爆弾実験前に入手している可能性もある
ア・カギの反応から鷹の師団内にその価値を知る者はいなかった?
グリーンオーブ
グリーンオーブについては少し状況が異なるので追記します。
DQ3時代に勇者アレルの手によってラーミアが復活した後はオーブは色を失いレイアムランドに安置されていました。DQ3ラーミアが眠りにつきオーブが発生したのは紋継1話開始時より二十余年前です。その時はノバァク13世がアリアハンを治世しています。
紋継4巻33話でノバァク13世より3代前の王に献上されたとされています。普通の治世期間であれば3代前の王が即位していた時期はロト紋時代・異魔神出現後~アルス誕生くらいと思われ、グリーンオーブは存在していません。
アリアハン王がそれぞれ長く治世し3代前の王・ノバァク10世がDQ3時代の王であるならば、王に献上されてアリアハン城にあったが一旦勇者アレルの手に渡ってラーミアを復活した事になります。そして再び紋継時代にオーブが発生しまたアリアハン城に戻った、という事であれば何とか…この説だとゲーム版DQ3ではグリーンオーブはテドンで入手していますがロト紋ではアリアハンで入手する事になりますね。
ノバァク13世より3代前の王に献上されたと言われているグリーンオーブ
ノバァク13世がカーメン4世と同じ年代だとすれば3代前・カーメン1世の頃に
カーメンを建国しているのでDQ3時代から離れすぎているわけでもない?
経過はともあれ紋継時代にはアリアハン城の宝物庫で保管されている
ノバァク13世はオーブの役割を知らない
グリーンオーブは紋継9巻92話で失われし日からしばらく、1年程経った頃にアリアハン城の宝物庫にある事が確認されているようです。失われし日より前にアリアハンに再びもたらされたと考えられられます。
失われし日から1年経った頃だと推測されるアニスとラーミア
何色のオーブかは明言していないが紋継2巻17話で言う『ひとつめのオーブ』だと思われる
ひとつめのオーブはアリアハンにあるグリーンオーブを指す
魔克爆弾実験前に入手している可能性もある
シルバーオーブ
ついでなのでこの時点での他のオーブについても。
シルバーオーブは紋継1話より10年程前に占い師の予言によりピラミッドの暗闇の中に安置されています。約定なく扉が開かれればイシスは滅びると伝えられています(紋継9巻87話)
イシスにあるピラミッド
数々の罠の先、封印された扉の先、暗闇の中にシルバーオーブが安置されている
イエローオーブ
イエローオーブは『山と谷、旅する者の道しるべ』がヒントの場所にイシス編までには安置されます(紋継5巻44話)
和洋中でもない赴きの集落で寒冷地でもない場所
岩山の間にスーとは異なる形状のテントが建っている場所
アッサラームかバハラタあたりかゲーム版同様〇〇〇〇バークだろうか?
魔克爆弾実験前に入手している可能性もある
アルスとオーブ
紋継の公式サイトには紋継18巻くらいまでの人物紹介が掲載されています。その中で気になるのがアルスの紹介文です。
本編の設定とはどことなく違う紹介文
オーブを所持したまま雷の神器に入ってしまっていたら大変な事になっていたと思う…
『雷の神器を手に入れ』と『オーブを所持』の部分は公式なのにうーん…といった所ですが、4つのオーブが併記されている所が気になります。
恐らくボツ案なのでしょうが、この4つのオーブとアルスの関係を深読みして関連付けるなら、アルスが旅を通じてオーブを発見し失われし日より前にそれぞれ信頼できる者に託していたと考える事もできる気がします。
アルスがどの程度オーブに関する知識を持ち合わせているかは不明ですが、ロト紋時代にラーミアの祠で聖なる双生児と関わりを持っているのでかなり正確な知識を持ち合わせているように思えます。グリーン・イエロー・シルバーに関しては何かの事情があってそれぞれ別の者に託し、ブルーオーブだけはラーミアの祠に戻した、といった所でしょうか。
3.魔克爆弾実験間近
場所 | 内容 | 出典話数 |
・ 北の荒れ地 |
町でどこかの軍隊が北の荒れ地に 出入りしている噂が流れる
*ロマリア、ポルトガが共同開発をしていた 魔克爆弾の実験の準備に訪れる |
紋継160話 |
剣王の里 |
【失われし日より1週間+1日前】 【日中】 リー12歳時
*12歳でバトルマスターとの事だが 紋継150話で失われし日以降5年の修行を経て 17歳でバトルマスターになった描写あり *シーザーは登場しない
ユイの父・エトが猟の最中に キラーマシンに襲われて負傷する |
紋継11巻 |
バトルマスターになった時期
紋継11巻の話では12歳でバトルマスターという事になっています。紋継15巻150話の5年の修行を経て17歳でバトルマスターになった説のほうが有力かと思います。紋継1巻3話で17歳でバトルマスターでも驚かれていますし、12歳でなんてとんでもない事なのではないでしょうか。12歳バトルマスター説は幼いリーの勘違いとすれば辻褄を合わせる事ができます。
魔克爆弾実験前のリー12歳時の話
絶体絶命の状況下で自身がバトルマスターだと話している
同行しているユイは弓の名手で剣王の里の子供達に無敗を誇るリーより強いと自負している
失われし日直後頃のリーの話
5年かけて17歳時にバトルマスターになったと話している
世間の反応を見るにこちらの年齢設定のほうが無理がない
4.魔克爆弾実験
場所 | 内容 | 出典話数 |
剣王の里 |
【失われし日より1週間前】 【日中】 リーとユイがキラーマシンを発見する リーがユイの協力を得てキラーマシンを追い込む 危ない所でキラが現れ止めを刺す
*時差表現を考慮するとキラーマシンとの戦闘中に 魔克爆弾実験が行われている? |
紋継11巻 |
・ 北の荒れ地 |
【紋継1話開始より5年+1週間前】 【失われし日より1週間前】 魔克爆弾爆発実験が行われる |
紋継160話 紋継163話 |
10km以上に渡る大地が溶かされ削られ さらに周囲数10kmの地層を歪める クインゾルマを封印している水晶の柱が破壊され クインゾルマの精神の封印が解かれる |
紋継163話 |
|
【失われし日より1週間前】 【バハラタ現地時間で夕方頃?】 大きな地震で棚の商品がメチャクチャになる 北の空に大きなキノコ雲が見える |
紋継160話 |
|
イシス |
ファンがイシスでとてつもない地響きを経験している |
紋継150話 |
剣王の里 |
【失われし日より1週間前】 【剣王の里現地時間で昼過ぎ頃?】 無茶をしたリーが高熱を出す アロスの帯剣の儀に参列する予定だったが 取りやめになる ヤオもリーの看病で家に残る
ラダトーム城へ旅立つ ラダトーム城へ出発するキラが 東の空の雲行きが怪しい事を目撃する
*剣王の里はサマンオサ地方 サマンオサ・ブラジル中心の地図を見ると バハラタ・インドは極東
*インドとブラジルの時差は8時間半、インドが先行 現実より少ない時間差であれば 時差からバハラタの現地時間が推測できる その場合魔克爆弾実験時のバハラタの現地時間は 夕方頃となる
*帯剣の儀までの1週間ラダトーム以外の場所で過ごす |
紋継11巻 |
魔克爆弾実験
なぜ魔克爆弾実験がバハラタ北部で行われたか?
現実の地球で1964年に新疆ウイグル自治区のロプノール湖にて行われた核実験をなぞらえているように思われます。
現実での実験場は以下の場所です。DQ3の地上世界ではバハラタ北部が該当する場所とされています。
バハラタと剣王の里の時差
魔克爆弾実験時には時差を思わせるような表現が入っています。
この場面ではバハラタと剣王の里で比較する事ができます。まず現実でのインドとブラジルの時差は8時間半でインドが先行しています(『インド ブラジル 時差』など地名を入れてググるとすぐわかります)
剣王の里でのキラーマシンの出来事は魔克爆弾実験日の正午に起こっています。事件後にキラが自宅で仕度をしている時はまだ昼頃の空です(空にトーンが処理がない) そして出発する頃には空の色が変化しています。
この場面で時差を考慮すると8時間半の時間差はちょっと厳しいです。季節等を考慮すれば可能な時期があるのかもしれませんが…現実ほどの時間差ではなく6時間程の時差とするならば無理なくいける気がします。
魔克爆弾実験事態はバハラタ現地時間の昼頃行ったとし、剣王の里現地時間の昼頃はキラーマシンとの戦闘が行われていたとします。バハラタからの空の異変が伝わってくるのに時間がかかると思われるので、キラが家を出る頃・昼過ぎに空が変わっていると。
ヤオとファンが一番最初に不穏な空気を感じ取っているとされていますが、ヤオは普段と変わらぬ様子でキラを送り出しています。クインゾルマの封印が解除されてから不穏な空気を発するようになるまで少しの間があったと考えられます。
ゼラニウムの魔克爆弾実験時の説明
爆弾の威力が詳細に語られているが何時ごろの出来事かを窺う事ができない
バハラタの人達の説明
空の色と建物の影から午後半ばから夕方前のように見える
魔克爆弾実験により空の様子が変わるとすれば何時ごろかは当てにならないだろうか?
剣王の里と時差の比較をすると概ね夕方頃と推測できる
何気に『LOVE SYNC DREAM』のインド人・シュバクマールが登場している
キラの時間はそこそこはっきりしている
キラーマシンとの戦闘中に実験が行われ家で準備をしている内に空が変わるとすれば
時差表現は可能なように思える
キラの一人旅
帯剣の儀は魔克爆弾実験より1週間後、リーの具合が悪いのであれば1週間かけて療養し、当日にキメラの翼で移動すればいいはずですがキラのみで出発していきます。事前に1週間かけて出掛ける予定を立てており予定の変更ができないという事でしょうか。紋継1巻2話で帯剣の儀当日にアランとアステアに再会しているので、キラはラダトーム以外の場所で1週間過ごしています。
ちなみに、ロト紋シリーズでの1週間という単位は詳細不明です。『1週間=7日間』と言う単位は現実ではキリスト教からきていますがDQ的にキリスト教は存在していない事になっています。
ドラクエにはキリスト教そのものは登場しないが、【堀井雄二】曰く「分かりやすさ重視」で十字架を採用していたとのこと。
多分わかりやすいように現実同様に『1週間=7日間』としているのだと思われます。
5.魔克爆弾実験後
場所 | 内容 | 出典話数 |
ロマリア |
ロマリア国王が魔克爆弾の威力に 政治的・軍事的意味を見出す 技術・原料を独占するため ポルトガに魔克爆弾を渡す事を拒む ロマリアとポルトガの友好関係が崩れる |
紋継163話 |
レーベ |
ポルトガが秘密裏にレーベの魔石研究所に 魔克爆弾を作らせる
*この時の魔克爆弾製造にはサバトが関わっている サバトは研究所の所員だった |
紋継242話 |
イシス 剣王の里 |
ファンとヤオが一番最初に不穏な空気を感じ取っている
*ファンが調査に赴くため準備を始める |
紋継126話 |
ロマリアとポルトガの断絶
魔克爆弾の登場が新たな火種となっていきます。
レーベが新たな魔克爆弾の製造に取り掛かります。サバトがロマリアと関係している分の魔克爆弾製造に関わっていたかははっきりしませんが、ポルトガと関係している分には確実に関わっているはずです。
6.ラーミア転生
場所 | 内容 | 出典話数 |
剣王の里 |
【失われし日より4日程前】 【日中】 ファンが大量のキメラの翼を持ってヤオの元を訪れる リーの看病をユイに任せヤオがファンと共に出発する
*同日中にバハラタへ向かう |
紋継150話 |
バハラタ地方 ・ 発掘現場 |
【失われし日より数日前】 【日中】 先の地震=魔克爆弾実験で300年以上前の地層から 鏡面の巨大な人造物が現れる (人造物=クインゾルマが封印されている水晶の外周側) 人造物の下から邪悪な気が立ち上っている
*100年周期で洪水が起き その度新たな地層が形成される場所 |
紋継150話 |
バハラタ地方
・ クレーター |
ラーミアが卵を産むために レイアムランドへ向かっている途中 クインゾルマの精神に囚われる クレーター中央の暗黒の渦に引きずり込まれる ラーミアの羽根が散らばる |
紋継210話 |
バハラタ地方 ・ 発掘現場 |
ヤオの手に大きな羽根が舞い落ちる ファンが神鳥ラーミアの羽根だと話す |
紋継150話 |
バハラタ地方 ・ クレーター |
母ラーミアが肉体の死を悟り卵を産む ラーミア転生の瞬間 クレーターから巨大な光の柱が立ち上る
*紋継210話ではクレーターと発掘現場の 2本の光の柱が立ち上っている |
紋継210話 |
バハラタ地方 ・ 発掘現場 |
調査団隊長が人造物に触れた時に転生が起きる 発掘現場から巨大な光の柱が立ち上る |
紋継150話 |
【魔克爆弾実験の数日後】 光の柱が立つのが目撃される
*紋継160話でファンに聞かれるまで忘れている |
紋継160話 |
|
【神器が奪われる数日前の夜】 夜、西の空に巨大な光が立つのが目撃された |
紋継126話 |
|
柱から距離があったので記憶が鮮明に残っている |
紋継160話 |
|
バハラタ地方 ・ 発掘現場 |
【失われし日より4日前】 その場にいた全員が視力・記憶を失う キメラの翼で各々帰宅する |
紋継150話 |
*視界と記憶が奪われる現状は神鳥の放つ光によるもの 卵の場所を知られないための自己防衛本能 |
紋継215話 |
300年の設定
300年以上前の地層から水晶が発掘されるという設定ですが、設定的にはあまり活かされていない数字となっています。最初はDQ3~DQ1の数百年をこの設定で一気に稼ぐのかと思ったのですが、結局はロト紋DQ3的な百数十年前という数字に落ち着いています。百数十年前のDQ3時代に紋継時代での300年代の地層に達するまで深く水晶を埋めたと捉える所なのでしょう。
ラーミアの転生
ラーミアの眠り・引退宣言から二十年弱、ラーミアが転生に向けて動き出しています。その間何をしていたかは不明です。長く生きてきたラーミアにとって二十年弱など瞬きする間に等しいのでしょう。
クインゾルマはDQ3時代に大賢者によって施された封印を解き再び世界に顕現するためにラーミアを利用しようとします(紋継18巻189話)
母ラーミアは肉体と魂を持っている状態 能力はオーブへ移動している
バハラタ荒野を通過する際に水晶の中に封印されているクインゾルマに捕らえられてしまう
ファンとヤオはバハラタの発掘現場にやってくる
DQ3時代にオルテガと大賢者がクインゾルマを封印した水晶を埋めた場所だが
何も知らない人々の手により大規模な掘削が進められている
水晶の中に捕らえられている母ラーミアの羽根が1枚だけ外に出ている
ヤオが手にする
2本の光の柱
ラーミア転生の瞬間は光の柱が立ち上ります。光の柱の描写は複数ありますが、紋継21巻210話では2本の光の柱が立ち上っています。この描写は作中で一番最後の描写でありラーミア視点での話となっています。2本の光の柱の出現が正解なのでしょう。
クインゾルマの肉体と精神は発掘現場にある水晶に封じられています。母ラーミアは水晶の中に捕らえられそこで卵を産みます。卵を産むと同時に卵の中の世界・鏡の中の世界が形成されます。
人間の視点で語られる場面では発掘現場から光の柱が1本立ち上っている様子が描かれています。それが水晶から発せられた本物の柱です。もう1本の人間には見えない柱は虚実の世界が現れた表現だと思われます。クインゾルマの精神は虚実の世界である卵の中の世界・鏡の中の世界へと移ります。
発掘現場から立ち上る柱は人間に見えるものでいくつかの場面で描かれている
奥の地表から立ち上る柱がラーミア視点でしか描かれていない柱
虚実の世界・卵の中の世界は一種の異空間
クインゾルマの精神が移る
光の柱の時差
ジパングで夜に光の柱を目撃しているのは時差の演出でしょうか。現実では東京とインドの時差は3時間、ジパングが先行しています。季節は不明ですが現実での時差を当てはめると、ジパングが午後7時、バハラタが午後4時くらいの感覚でしょうか。
ラーミア転生時のジパングからの光景 夜なのに真昼のように明るい
人間視点の光景なので光の柱は1本のみ
7.卵の中の世界
場所 | 内容 | 出典話数 |
卵の中の世界 |
【失われし日より数日前】 卵の中からすべてを見渡せるのは 世界を正しき道へ導くため 神の目を与えられた神鳥ラーミアの使命 6つのオーブは世界を映し出す目 卵の内部は球体の鏡で世界をすべてを見渡す
|
紋継132話 |
卵の中の世界は球体の鏡面 世界のあらゆる鏡面に通ずる特別な空間 太古よりこの空間は 命を育み世界を見守る神鳥を産むために存在する |
紋継210話 |
|
外界と繋がり復活を企んでいる |
紋継210話 |
|
「おかあさま」と呼んでいる ラーミアは外から見つけてくれる人が 現れる事を夢見て過ごす ラーミアの声に耳を傾けてくれる者が導いてくれる者
*子ラーミアは紋章発見より少し前の アロスとアニスを知っている 転生後に過去の出来事の継承がある? クインゾルマから記憶の改竄を受けている? |
紋継91話 |
|
ラーミアの目は冥界は見えない |
紋継259話 |
|
ラーミアの目は天空界は見えない |
紋継280話 |
|
アニスがミーシャに話しかけた際 ラーミア自分が話しかけられたと勘違いする ラーミアがアニスに関心を持つ 同時にいつも一緒にいるアロスを 疎ましく思うようになる
*ミーシャが生きているのは紋章発見の頃 アロス・アニス4歳の頃 ここでは過去を遡って4年前の出来事を見ている *クインゾルマにとっては勇者の血脈を引き入れられる またとない機会 ラーミアがアニスに関心を持つよう仕向けた? |
紋継91話 |
|
魔界にあるオーブの泉をラーミアの転送能力で 卵の中の世界に呼び寄せる |
紋継146話 紋継225話 |
ラーミアの記憶の継承
ラーミアの転生が行われクインゾルマが卵の中の世界へ侵入しています。
失われし日より数日前、3日間程ラーミアとクインゾルマのみで過ごした事になります。たった数日ですがラーミアには現在もしくは過去の大量のビジョンが一方的に襲い掛かり、現実以上の時間を体感しているのではないでしょうか。
ラーミアの卵の中の様子
神鳥再生のための異空間であるとされている
大量のビジョンが幼いラーミアに殺到する
転生後のラーミアへの記憶の継承が行われていると思われる
ラーミアはクインゾルマが語った外から見つけてくれる人・外の世界へ導いてくれる人が現れる事を夢見て過ごします。ラーミアの孵化のためにオーブを揃えてくれる人間は必要ですがラーミアの声が聞こえる者は不要です。この時点からクインゾルマがラーミアを騙している事がわかります。
ラーミアに居もしない存在を吹き込む
クインゾルマは外へ導いてくれる存在を匂わせた後、過去のビジョンからアニスを引き合わせます。ラーミアはリアルタイムだと思っているようですが、過去の映像なので双方向のコミュニケーションはできません。そもそもアニスに卵の中の世界を見る事はできないのでリアルタイムだとしても無理です。
ラーミアが見た4年前のアニスにはこれから紋章発見に関係する辛い出来事が起こります。通常であればラーミアは紋章発見時のアニスも知るはずですがそういった様子は描かれていません。アニスに幻滅する事のないようクインゾルマが記憶を改竄しているのかもしれません。
紋章発見については以下の記事を参照下さい。
【紋継・紋章発見編】
アニスがミーシャと出会う場面をラーミアと繋げ印象付けている
ラーミアはアニスが外の世界へ導いてくれる運命の人だと思い込んでしまう
オーブの泉の転送
失われし日より前のラーミアとクインゾルマとのやり取りではオーブの泉が描かれていません。紋継9巻91話で失われし日・ラダトーム城異変の当日のラーミアが『この前だっていうことを聞いたでしょ?今度だってうまくやるよ!!』と話しており、失われし日より前にオーブの泉を呼び寄せた事を示しています。
失われし日のラダトーム城異変の直後には卵の中の世界にオーブの泉がある
クインゾルマと過ごす数日間の内に転送してきている
オーブの泉はDQ3時代に魔界に設置されたもの
8.ティーエの予言
場所 | 内容 | 出典話数 |
妖精の城 |
アルスがティーエの未来予知を聞く アルスがジパングへ向かう |
紋継263話 |
*ティーエは本来なら未来は見たくない 可能性を信じられもせず迎える未来に意味はない |
紋継263話 |
ロト紋15巻86話、異魔神討伐から7年程の頃はアルスはティーエと旅をしていました。途中でティーエが妖精の女王として即位し妖精の城に留まるようになったためアルスは1人で旅を続けています。
アルスは時々妖精の城を訪れティーエがルビスから授かった能力・未来予知に従って行動しています。何者か(クインゾルマ)の暗躍を知りアルスはジパングへと向かいます。
ティーエの未来視についての見解
ティーエとしては未来視は好ましくないがアルスのために行っている
失われし日編へと続きます。
※ 紙媒体の漫画をスキャンした物を引用している箇所があります。
冊子スキャン時特有の歪みやノイズが出ている所があります。
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